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2009年5月号

これからの地域教育を担うワークショップデザイナーの未来

社会情報学部 苅宿俊文教授

 ワークショップデザイナー。それは現代においてたちまち消えゆくバズワードではなく、教育の歴史に根付こうとしているとても真摯な言葉。地域の教育力を再生し、子供たちの未来に貢献する人材の育成をスタートさせた、青山学院の見つめる未来とは?

[広告]企画・製作読売新聞東京本社広告局

社会情報学部 苅宿俊文教授

学校外の「学び」をもう一度

インタビュー時の苅宿俊文教授 「ワークショップデザイナー」と聞いて、何をする人なのか、すぐにピンとくる方は少ないかもしれません。「ワークショップ」とは、表現活動やものづくりなどの活動に実際に参加し、その体験を通して学ぶためのプログラムのこと。そうしたプログラムを企画し、運営する専門家がワークショップデザイナーです。

 いま「社会の学校化」が進んでいると言われます。学ぶことはすなわち教わることであり、何事についても、「マニュアル」を教えてもらうことを前提に考えてしまう。そんな風潮が強まっているのです。

 学校教育にははっきりした目的・目標があり、それを効率的に達成するために、教師対生徒という教授法、段階的・体系的なプログラム、客観的な習熟度の評価方法などが、システムとして整備されています。こうした教育が不可欠であることは言うまでもありませんが、人が人として生きるために必要な学びの中には、このような学校的な教育に馴染まないものもたくさんあります。

 例えば、最近何かと話題になる「コミュニケーション能力」もその一つかもしれません。言葉遣いや論理の組み立てなどは学校で教えられますが、もっとも基本的な話す力・聞く力については、実際にいろいろな人と出会って、さまざまな形のコミュニケーションを体験する中で、自分が持っている能力に気づき、それを伸ばしていくものだからです。

 かつては地域コミュニティが、学校外の様々な教育を、自然な形で担っていました。しかし近年、コミュニティが力を失う一方で、子供たちの放課後はますます管理されたものになっている。「地域の教育力」は、すっかり弱まってしまいました。

 教わる学びだけでなく、自ら発見し、自ら伸ばす学びがあるということを気付かせる、あるいは、それを体験させてくれる。また、地域の中で大人と子供たちをつなぎ、学校支援も可能な地域の教育力を再生してくれる。そんな人材が強く求められています。そしてそれこそが、私どもが考えるワークショップデザイナーなのです。