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2010年3月号

医療問題の深刻化を食い止める、強みを生かした抜本的な解決策

社会情報学部 稲積宏誠 教授

北里大学と青山学院大学。二つを繋ぐキーワードは「連携」。複合的な性格を持つ医療問題に立ち向かうには、互いの強みを活かしたパートナーシップの発揮が不可欠です。他大学との相互補完を実現し、理想的な医療サービスを模索する取り組みの内容について、社会情報学部の稲積教授に伺いました。

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社会情報学部 稲積宏誠 教授

大学の連携が医療を変える

 「健康」という、私たちの生活の根幹を支えている医療サービス――その充実と向上は、単に医療技術の進歩のみによって実現できるものではありません。医療サービスは実はきわめて複合的な領域であり、それを取り巻く法律、行政、経済、さらには文化をも含む社会システムの全体を総合的に設計・調整していく必要があるのです。わが国において、少子高齢化などの社会情勢の変化を背景とする医療問題の深刻化を、なかなか食い止めることができない理由は、そこにあります。

 それを解決するためのキーワードは「連携」です。医療機関同士、あるいは行政と医療機関といった、実務レベルでの連携による取り組みはもちろん重要です。加えて今後、とりわけ大きな期待を寄せられるのは、学術研究と教育の分野における連携、そして学術と実務との連携でしょう。医療問題の抜本的な解決を図るためには、より自由で創造的な発想に基づく革新的な提案と、それを実現へと導く優秀な人材の育成が不可欠だからです。

インタビュー時の稲積教授 青山学院大学と北里大学の連携による「ヘルスケア・ソリューション研究」の取り組みは、まさにこうした期待に応えるものといえます。医学・薬学・看護学など医療関連分野を中心とする生命科学の総合大学である北里大学と、社会科学・人文科学に加えて理工学から情報科学までを包括する本学は、扱っている研究分野に関して、ちょうど相互補完的な関係にあります。したがって、先述のとおり「複合的」な性格を持つ医療問題に取り組むにあたっては、それぞれの強みを活かしつつ手を組むことで絶妙なパートナーシップを発揮し、その解決(ソリューション)に大きく貢献できると考えられるのです。

 なお本取り組みは、平成20年度の文部科学省「戦略的大学連携支援事業」に採択され(採択事業名は「実践的プロジェクト教育による多角的連携に基づく人材育成と医療イノベーション」)、現在は国の補助事業として進められています。