必要な時期にまとまった休みを「介護休業」は3回まで分割可能に

長期の介護スケジュールと介護休業取得の例

 家族の介護は長期間にわたることも多いもの。その間には、入院の付き添いや在宅介護、施設への入居準備など、一定期間仕事を休まなければならない場面が複数回出てきます。ところが、これまでの育児・介護休業法では、介護休業は「対象家族1人につき、原則1回に限り93日まで」と決められていました。1度介護休業を利用すると、次に付き添いで介護が必要になったらもう休めないと悩む人も多かったのではないでしょうか。

 今回の改正では、この「93日」を最大3回まで分けてとれるようになりました。これによって、例えば入院の付き添いで40日間、家での介護で30日間、施設への入居準備で23日間など、必要な時期に合わせて休業を使い分けることができるようになったのです。改正に当たって実施された調査では、実際に介護をしている人のうち89.4%が「1年間で3回以内、介護のためにまとまった休みをとった」と回答。この改正は、こうした現状に合わせて行われました。

「介護に専念する時期を3回作れる」と考えれば、仕事との両立に伴う悩みや時間的な問題もかなり軽減されそうです。使い勝手がよくなったことで、今後、介護休業の利用者が増え、離職者が減ることが期待されます。介護のために退職を考えている人は、まずは介護休業を活用して仕事と両立できないか検討してみては。

午前だけ・午後だけでも休める「介護休暇」は半日でもOK

1日の介護スケジュール例

 また今回の改正で、「介護休暇」が半日単位でとれるようになりました。介護休暇は、まとまった休みをとる介護休業とは別に、家族の通院の付き添いや買い物などのためにとる休暇のこと。これは1年に5日(対象となる家族が2人以上のときは10日)とることができますが、改正前は1日単位でしかとれませんでした。例えば病院の付き添いが午前中に済んでしまう場合でも、丸1日休みをとるしか手がなかったのです。

 改正により、半日でもとれるようになったことで、よりフレキシブルな時間の使い方が可能になりました。病院の付き添い、ケアマネージャーとの話し合い、入居施設の見学や説明会──。こうした比較的短時間で済む用事の場合は、介護休暇を半日だけとって、残りの半日は出社してしっかり仕事をする。そう考えて予定を立てていけば、自分に合った両立方法が見えてきそうです。

 介護休業と介護休暇が、今回の改正でより柔軟にとりやすくなりました。注目したいのは、この改正が実際に介護をしている人の声や利用の実態を反映したものだということ。新たな制度には、多くの人の体験や実感が込められているのです。

介護を安心して続けるために時短勤務などの制度や残業免除もぜひ活用を

 介護は日常的なサポートが長期にわたって続くもの。仕事で毎日帰りが遅くなるようでは、安心して続けらません。そこで今回の改正では、「3年間の勤務時間短縮等の措置」や「残業の免除」が盛り込まれました。「勤務時間短縮等の措置」は、改正前は介護休業と併せて93日の範囲内でしかとれませんでしたが、今回は介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上利用できるように改正。つまり、時短勤務やフレックスタイム制度など会社が用意した制度を使える期間が大幅に増えたことになります。

さらに休業期間中に支給される介護休業給付金がUP!(休業開始前賃金の給付割合)

 また、「残業の免除」は今回新設されたもので、介護をしている人は、対象となる家族1人につき、介護終了まで残業の免除が申請できるようになりました。これも、介護をしている人への調査で約3割を占めた「残業をなくすか減らすかしてほしい」という回答結果に応えたもの。時短勤務や残業免除を活用すれば、「早めに仕事を終えてデイサービスから帰る母親を迎えに行きたい」といったときも安心です。

 さらにうれしいのは、こうした制度の利用等に関する嫌がらせの防止が企業に義務づけられたこと。休みを申し出ると上司や同僚に嫌味を言われる、残業を断りにくい雰囲気があるといった悩みを解消するため、今回、法律に盛り込まれました。「改正育児・介護休業法」は、仕事と介護の両立に悩んでいる人の強い味方。内容をよく知って、自分らしく働き続けられる方法を見つけていきましょう。

制度の詳細・嫌がらせ等に関するご相談は、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へお問い合わせください。

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