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山崎 典久さん

山崎 典久さん【略歴

故郷の町で弁護士として働く

山崎 典久さん/弁護士

1 中央大学法科大学院での学生生活

 私は長野県千曲市の出身です。2006年に中央大学法科大学院に入学しました。同法科大学院では中央大学出身法曹の支援により実務家の授業を受けることができる点そして多様な人材を育てる教育システムで勉強できる点に興味を持ち入学しました。

 入学してからは各科目の授業で研究者の先生と実務家の先生の授業をバランスよく受けることができ法律に対する視野が広くなり勉強になりました。座学のほかにADR授業(調停形式の紛争解決手続を体験できます)やエクスターンシップ授業(法律事務所に2週間程度研修できます)で法律実務について知ることができました。座学だけではわからない実務の運用について身近に観察することができました。また弁護士業務を身近に見ることで、自分も早く法曹になりたいという気持ちを強くしました。

 在学中は法科大学院の授業と平行して司法試験受験の準備を進めました。私は自分のクラスの友人たちと複数の自主ゼミ(主に答案練習)を行いました。法科大学院の授業・予習復習に加え、その合間を縫って受験勉強をしていたので在学中は非常に忙しかったのですが、充実した学生生活を過ごすことができました。

2 長野で働く

 法科大学院在学中は目の前の課題に向かうことが精いっぱいで、自分がどんな弁護士になりたいか、自分がどこで働くか等についてはそれほど具体的に考えていませんでした。

 しかし法科大学院在学中エクスターンシップでお世話になった弁護士先生から「君は長野の出身か、もしいつか地元に帰るつもりなら早いうちに帰って地元の先輩に顔を覚えてもらったほうがいいよ」と助言をいただき、また在学中ADRの授業でご指導いただいた遠山信一郎先生からも「将来地元に帰るつもりなら早く帰って知り合いをたくさん作ったほうがいいよ」と助言をいただいたので、試験に合格したら長野県で働こうと考えるようになりました。その後2008年に司法試験に合格し、長野を実務修習先として希望し修習後長野市内の法律事務所に就職しました。

 私が就職した法律事務所は長野市の名刹善光寺のすぐそばにある事務所でした。長野市は善光寺の宿場町から発展した町であり、お寺の表参道に沿って灯篭や石畳の歩道が整備されており大変風情があります。また善光寺から歩いて行ける距離にある権堂商店街付近には雰囲気のよい居酒屋やバーも多く楽しめます。長野といえば蕎麦が有名ですが、最近は信州サーモンやジビエ料理も売り出しています。車で郊外に出れば、観光地や温泉がたくさんあります。私は休日はよく日帰り温泉めぐりをしました。自動車を使えば日帰りでもかなり遠方まで行くことができました。

 就職してからはさまざまな事件を体験しました。先輩弁護士に助言を受けながらひとつひとつ仕事を覚えていきました。業務を開始すると同時に長野県弁護士会の各種委員会に所属し、委員会活動にも参加しました。委員会活動は、自分の事務所外の弁護士と知り合いになれるとても良い機会でした。また委員会活動を通じて社会の問題についての意識が高まりました。

3 千曲市での独立開業

 弁護士として働きはじめた後は少しずつ独立の準備をはじめ、平成25年初めに故郷の千曲市に自分の名前の事務所を開きました。

 千曲市は、北陸新幹線上田駅と長野駅のちょうど中間に位置します。千曲市の私の事務所から管轄庁である長野地家裁上田支部まで車で一般道を移動すると40分ほどかかります。長野市にある本庁までも同じ程度の時間がかかります。

 千曲市は千曲川の流れに沿って南北に伸びており、観光地のあんずの里、古人の歌に詠まれた景勝地である姨捨の里、由緒ある温泉街の戸倉上山田温泉等があり歴史と自然に恵まれた場所です。自分の故郷で法律事務所を開業することができとても嬉しく思っています。

4 弁護士としての日々

 開業してから扱っている事件はさまざまです。企業の労務問題、知的財産、不動産、相続、交通事故、債務整理、離婚そのほか損害賠償などの一般民事事件が中心ですが、刑事事件も扱っています。活動地域についても当初は千曲市内の事件が中心でしたが最近は長野県のいろいろな地域へ行き仕事をしています。

 裁判所や現地調査、打ち合わせ等の移動は基本的に自動車を運転することになります。長距離運転になることも多いのですが、春や秋のように気候が良いときは気分転換にもなりそれなりに楽しいです。他方冬はとくに雪に要注意です。雪が降ると道路に渋滞が生じたり、通行止めになるので移動時間の計算が狂いがちで困ることもあります。

 現地調査では泥田や工場跡地も含めいろいろな場所に行きます。どこに行っても困らないよう私の車の中には軍手とゴム長靴が常備されています。

5 地域とかかわる

私の活動している地域では高齢化問題や人口減少問題等が課題となっています。私も弁護士業務や地域での活動を通じてこれらの課題解決のお役に立ちたいと思うようになりました。

 高齢者をめぐる問題については、弁護士業務としては成年後見や遺言等の事件を通じて紛争予防・解決に努めています。また私は地元の社会福祉協議会の会議に委員として参加させていただき、他職種の方々とともに地域に求められている成年後見制度利用の仕組み作り等について提言をしています。

 地域で人が暮らしていくには元気な企業が多数存在することが必要です。私は弁護士業務としては労務、知的財産、事業承継等の事件を通じて地元企業の問題解決に関わらせていただいております。また地元の商工会議所や青年会議所に所属して地域振興の活動をしながら企業のニーズについて考えています。

 さらに上述した長野県弁護士会の委員会活動(高齢者・障害総合支援センター運営委員会、業務対策委員会、法教育委員会、民事介入暴力対策委員会等)に参加して活動することで地域の発展や課題解決のため活動しています。

 これからも地域のためにできることを考えながら仕事をしていきたいと考えています。

山崎 典久(やまざき・のりひさ)さん
昭和51年 長野県千曲市出身 長野県屋代高等学校、明治大学法学部卒業
平成20年3月 中央大学法科大学院修了
同年9月 司法試験合格 長野にて司法修習(62期)
平成21年12月 長野市内の法律事務所に入所(長野県弁護士会)
平成25年1月 千曲市に「山崎典久法律事務所」を開設