酪農家砂流さんにジャストミート!

「指定生乳生産者団体」が担う役割とは? 安全・安心な牛乳が私たちに届くまで

フリーアナウンサー 福澤 朗さん

ふくざわ あきら:1963年生まれ。東京都出身。早稲田大学卒業後、日本テレビ入社。アナウンサーとして数々のヒット番組に出演する。2005年にフリーアナウンサーとなり、現在まで第一線で活躍し続けている。

酪農家 砂流 裕美子さん

すながれ ゆみこ:島根県安来市で約100頭の乳牛を飼育する「砂流牧場」を営む。「酪農教育ファーム認証牧場」として酪農体験の機会を提供。毎年6月には「まきばのおまつり」を開催している。

 私たちのおいしく健康的な食生活に欠かせない、牛乳やバターなどの乳製品。その原料となる「生乳」はどのように生産されて、消費者のもとへと届けられるのでしょうか。島根県で酪農を営んでいる砂流裕美子さんに、フリーアナウンサーの福澤朗さんが聞きました。

酪農は「牛という生き物を扱う繊細な仕事」

牛乳が届くまで

福澤僕は幼い頃から牛乳や乳製品に目がありませんでした。しかし、それらの原料となる生乳が生産されている現場については、正直詳しくありません。酪農家の仕事とは、どのようなものなのですか?

砂流我が家の場合は朝7時から仕事を始めます。毎日行う作業は餌やり、牛舎の掃除、朝晩の搾乳、そしてそれらの合間に行う子牛へのミルクやりなど。その他、季節によっては牧草づくりなどの作業も行います。

福澤生き物を相手にされるわけですから、365日かかりきりということですよね。中でも、特に大変なことは?

砂流常に誰かは居なければなりませんから、家族旅行などにはなかなか行けませんね。それに、牛の出産やケガなどの生死に関わることが起きると、夜中でもお正月でも関係なく対応しなければなりません。そうしたことに備えるため、常に牛たちの健康状態を把握しておくことも重要なんです。

福澤「体力的に厳しい仕事なのだろうなぁ」と想像していましたが、一頭一頭のコンディションを把握してケアするなど、繊細さが要求される仕事でもあるのですね。

生乳流通に欠かせない指定生乳生産者団体

福澤酪農家の皆さんが心を込めて生産された生乳は、どのようにして私たち消費者の手に届くのでしょうか?

砂流生乳の流通で特に気をつけなければならないのは、鮮度を保つこと。そのため、搾乳した後は空気に触れることなくバルククーラー(生乳冷却装置)に入れて保管します。その後、各酪農家から専用のタンクローリーで集めて検査などを行い、乳業メーカーの工場まで運ぶわけですが、そうした流通のしくみを支えてくれるのが「指定生乳生産者団体」です。

福澤指定生乳生産者団体が存在することのメリットとは?

砂流生乳流通の過程には運搬や保管、何回もの検査など様々なプロセスが必要ですが、それらの作業を、酪農家が指定生乳生産者団体を通じて共同で行うことで、コストや酪農家個々の労力がかなり軽減されます。おかげで私たち酪農家は、安全でおいしい生乳をつくることだけに集中できるのです。

 生乳は栄養が豊富な反面、傷みやすく、すぐに乳業メーカーに販売する必要があるため、酪農家は不利な立場に置かれがちなのですが、共同で販売することによって、乳業メーカーに対する「価格交渉力」も高まります。また、生乳生産量は気温や牛の体調などに左右されますし、需要量も季節や消費者のニーズなどによって日々変動するという難しさもあります。しかし、指定生乳生産者団体が各酪農家から生乳を一手に集めて、牛乳・乳製品の需要に応じて乳業メーカーに販売することで、消費者に牛乳や乳製品を安定的に届けることができるのです。

指定生乳生産者団体の統一基準で安全性をチェック

酪農家と指定生乳生産者団体による「安全・安心」のための取り組み

福澤砂流さんは生産者である一方、消費者でもありますよね。

砂流ええ、主婦であり、母でもありますから、食材の安全・安心はどうしても気になります。スーパーなどの店頭で食材を選ぶ際には、必ず産地や原材料などをチェックしますし。だからこそ、生乳の生産においても細心の注意を払っています。

福澤安全・安心について、具体的にはどのような取り組みがなされているのですか?

砂流私たち酪農家は「生乳生産管理チェックシート」というものを使っています。これは、乳牛の治療や消毒のために使った薬剤や、自給飼料に使用した農薬、それにバルククーラーで保管する生乳の温度など、生産に関する作業について記録するものです。チェック項目は全国の指定生乳生産者団体で統一していますから、どの酪農家でも同じ水準の厳しい品質管理がなされるわけです。

「地域の支え」と「感謝」も原動力に

福澤砂流さんにとって「酪農」とは、どのような仕事ですか?

砂流「食」に関わり、「生命」を扱う大変な仕事ではありますが、だからこそやりがいがありますし、誇りに思っています。もしも周囲に暮らす人々が歓迎してくれない環境だったらやりたくてもできない仕事でもありますから、日々「ありがたいなぁ」と感謝する気持ちで働いているんです。

福澤地域に支えられている仕事でもあるんですね。

砂流そんな地域の皆さんに恩返しをしたいという気持ちもあって、私は「酪農教育ファーム活動※」を実施しています。幼稚園児や小学生には乳搾りなどを、中高生には職場体験学習として餌やりや牧草の収穫作業を体験してもらうのですが、子牛を触った小さな子からは「温かーい!」なんて、かわいい声が上がったりします。

福澤酪農家の皆さんによる努力はもちろん、指定生乳生産者団体や乳業メーカー、地域の方々など、様々な人々の支えがあって、私たちが安全・安心な牛乳や乳製品を口にできるのだということがよく分かりました。これからはより一層、おいしく味わうことができそうです。

酪農教育ファーム活動※中央酪農会議が推進する「食やしごと、いのちの学び」をテーマとして、子どもたちに「酪農体験」「乳牛とのふれあい」などの機会を提供する活動。

一般社団法人 中央酪農会議

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