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※掲載の肩書は取材当時のものです。

【cultura animi】 平成29年度春季特別展「宮廷装束の世界」

長佐古 美奈子 (学習院大学史料館)/田中 潤・戸矢 浩子(学習院大学史料館EF共同研究員)

 現在(5月27日(土)まで)、学習院大学史料館において平成29年度春季特別展「宮廷装束の世界」を開催しています。
 ひな人形や時代劇などで目にする華やかな「十二単(じゅうにひとえ)」や男性の「衣冠束帯(いかんそくたい)」は、古来より公家や御所に関わる人々が着用した宮廷装束です。装束に使用される色や文様などには決まりごとがあり、着用者の身分が一目でわかるようになっています。平安時代以来、学問としても深められ、日本独自の発達を遂げました。
 明治時代になると洋装が取り入れられますが、皇室の祭祀や儀礼では宮廷装束を用いることが定められます。それは伝統文化の保護を目的にしており、そうして継承された技術は、大礼や御婚儀などの儀式の中で、現代の我々も目にすることができるのです。
 この展覧会では、儀式で使用された装束や、絵画・工芸・史料など装束にまつわる様々な資料を、明治時代以降の作品を中心に紹介しています。華やかな雅の世界をお楽しみ下さい。

写真1

写真1:北白川宮永久王妃祥子殿下料五衣唐衣裳(一般社団法人霞会館・衣紋道研究会所蔵)(展示期間:5月6日~27日)
「十二単」とは通称で正しくは五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)といい、婚礼衣装に用いられました。祥子妃殿下のご実家である徳川家の紋が目に鮮やかな紅梅色であらわされ、精緻な織の技術と色のかさねの美しさをご堪能いただけます。

写真2

写真2:山階芳麿侯爵夫人寿賀子所用袿(山階鳥類研究所より寄託)(展示期間:全期間)
鮮やかな蘇芳色の地に、蝶と牡丹を異なる色目の白で織り出した華やかな袿です。明治時代には、袿は高官夫人の礼服としても使用されました。

写真3

写真3:檜扇形桜藤文ボンボニエール(学習院大学史料館蔵)(展示期間:5月6日~27日)
ボンボニエールは菓子入れのことで、皇室の慶事などで配られています。日本では精巧な工芸品として独自の発達を遂げました。慶事に応じたデザインがとられ、結婚の際には婚礼衣装の十二単に持つ檜扇を模した品が多く作られました。

写真4

写真4:大正・昭和・平成大礼挿華(学習院大学史料館蔵・個人蔵)(展示期間:全期間)
挿華(かざし)とは元々、重要な儀式の時に冠に飾られた花などを指します。大礼の大饗第一日の儀の参列者には、純銀製の挿華が配られました。本展では大正・昭和・平成の大礼の挿華を、包紙も水引もそのままに並べて見ることができます。

[2017.4.24]
プロフィール

長佐古美奈子 (学習院大学史料館 学芸員)

長佐古 美奈子 (学習院大学史料館 学芸員)
学習院大学文学部史学科卒業。学習院大学史料館学芸員として、学習院、 皇族、華族などに関する研究をおこなっている。著書『ボン・ボニエールと近代皇室文化ー掌上の雅』(えにし書房)、『写真集ー近代皇族の記憶』(共著 /吉川弘文館)など。

田中 潤 (EF共同研究員)

田中 潤 (学習院大学史料館EF共同研究員)
学習院大学・お茶の水女子大学・杉野服飾大学非常勤講師、学習院大学史料館EF共同研究員。学習院大学大学院の史学専攻を修了(博士)。
宮廷装束を中心とする有職故実が専門。

戸矢 浩子 (EF共同研究員)

戸矢 浩子 (学習院大学史料館EF共同研究員)
学習院大学史料館EF共同研究員。学習院大学大学院の美学美術史学専攻を修了。
日本近代美術史を専門とする。

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