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※掲載の肩書は取材当時のものです。

【G-Days】 人生を懸けて取り組みたいこと。

宮島 衣瑛(学習院大学文学部教育学科3年、一般社団法人 CoderDojo Japan 理事、株式会社 Innovation Power CEO、学習院高等科卒業)

CoderDojo Kashiwa のコミュニティ

 私は昨年度、「次世代の働き方に直面する、学生がすべき3つのこと」というタイトルで学習院大学が募集する論文のコンテスト「学生の提言」に論文を書いた。この話を理解してもらうには、まず私のバックボーンについて説明しなければならないだろう。私は学習院高等科在学中から自ら会社を作り、教育分野についての研究開発事業や企業のCSR活動の支援、プログラミング教育を推進する自治体への支援などを行っている。それ以外にも、子どものためのプログラミング道場 “CoderDojo” を地元である千葉県柏市で立ち上げ、これまでに140を超えるワークショップを開き、4000人を超える子どもたちにプログラミングを教えてきた。現在では、全国の取りまとめ的存在である一般社団法人 CoderDojo Japanの理事も務めている。

 今回は、自らプロジェクトを進めることのおもしろさについて私の経験を中心に書いてみたい。そしてこれが学生の皆さん、特に新入生の皆さんのお役に立てば幸いである。

 私が運営している株式会社 Innovation Powerのミッションは、「未来を創る人を育む」ことだ。私たちが生きている現代は時代の大転換期だと言ってよいだろう。先の論文でも述べた通り、今の小学生が大人になる頃、彼らは今この世に存在しない職業に就くだろうと言われている。私たち世代も例外ではなく、新卒で就職した会社に終身雇用されることはまずないだろうし、自分の核となるスキルがない人にとっては厳しい世界になるだろう。そんな世界を生きるために必要なことは、「自ら考える力」と「考えたことを実装する力」であると私は考えている。今まではそのどちらかがあればよかったが、コンピュータプログラミングやデジタルファブリケーションが容易かつ安価にできる時代では、考える”だけ”ではどんどん置いていかれてしまう。大切なのは手を動かすことだ。

沖縄県南城市で開催された教育フォーラムに登壇する筆者

 私が現在行っているプロジェクトは、すべてこのミッションを達成するための”手段”のひとつになっている。子どもたちがプログラミングやモノづくりを体験する場としての CoderDojo。さらに多くの子どもたちにプログラミングを体験したもらうために、柏市で2017年度から始まったプログラミング教育事業に構想初期から参画し、市内42校すべての公立小学校で行われる授業のカリキュラムを市教育委員会と協力して作った。弊社が運営している PowerLab というスクールでは、「サス・ゲー」というESD(Education for Sustainable Development = 持続可能な開発のための教育)分野の教材開発を行っている。国連が定めたSDGs(Sustainable Development for Goals = 持続可能な開発を達成するためのゴール)の内容をゲームを通じて学ぶプログラムだ。また、企業のCSR活動の一環として行われるSTEM教育プログラムの開発やワークショップなども手がけているし、直近では「真のデジタルネイティブを目指す」ことをコンセプトにしたサービスの開発も行っている。

 プロジェクトを進行していく上で大変なこともたくさんある。しかし、それを乗り越えて実装したあとの喜びや達成感は、何にも変えることはできないものだ。

 大切なことは、プロジェクトを進行することを「目的」とせず、大きな目標を達成するための「手段」として捉えることだ。これは、大学生活にも当てはまる。大学に行くこと、授業に出ること、部活やサークルを頑張ることを「目的」とせず、その先にある大きな目標を達成するためのひとつの「手段」としてほしい。私にとっては、大学に通っていることも、会社の社長をやっていることも、ボランティアをしていることも、一般社団法人の理事をしていることも、すべてが「手段」なのだ。ここがブレてしまうと自分がやっていることの意義を見失ってしまう。

 これだけ多様性が叫ばれる世の中で、大学生が4年間で送る人生の選択肢が少なすぎるのは問題ではないだろうか。この文章を読んでくれた方には、ぜひ「自分が達成したいことはなにか」を考え、「達成するためにはなにをすればいいのか」を考えてみて欲しい。大学生が今やるべきことは、「選択肢を広げる」ことだろう。大学という場所はとてもおもしろい。多種多様な学生や先生方から受ける刺激は相当なものだ。もちろん、大学ですべてが完結するわけではない。社会とつながることも経験しておきたい。

 もし大学生の間に「達成したいこと」の候補が見つかれば、これから先の長い人生をどう生きるべきかなどが自ずと見えてくるだろう。人生の夏休みを謳歌している場合ではない。

 学習院大学には都心とは思えないほど緑が豊富で広大なキャンパスがある。ゆっくりと熟考するには十分すぎる環境だ。

[2018.4.16]
プロフィール

宮島 衣瑛(一般社団法人 CoderDojo Japan 理事、株式会社 Innovation Power CEO、学習院大学文学部教育学科3年、学習院高等科卒業)

宮島 衣瑛(学習院大学文学部教育学科3年、一般社団法人 CoderDojo Japan 理事、株式会社 Innovation Power CEO、学習院高等科卒業)
2013年5月から地元である千葉県柏市で小中学生向けのプログラミング道場、CoderDojo Kashiwaを主催・運営。プログラミング教育を始めとするICT教育全般について、全国各地で実践研究を行っている。教育分野のResearch&Developmentを行っているInnovationPower Co.,LtdのCEO。2017年4月より柏市教育委員会とプログラミング教育に関するプロジェクトをスタート。市内すべての小学校で実施するプログラミング学習のカリキュラム作成やフォローアップを担当。2017年11月より一般社団法人CoderDojo Japan理事。大学では教育についてより専門的に学んでいる。

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