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※掲載の肩書は取材当時のものです。

【日本の今】 オリンピックとBリーグ

北村 麻衣(学習院大学 スポーツ・健康科学センター 助教)

 B.LEAGUE(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)をご存じだろうか。

 日本の男子バスケットボール界は、国内に2つのプロリーグが存在し、一貫した強化ができないことなどを理由に2014年にFIBA(国際バスケットボール連盟)より国際試合出場停止の制裁を科されたことをきっかけに、統一リーグとしてのBリーグが2016年にスタートした(注1)。

 そのBリーグも2シーズン目を迎え、先日行われたチャンピオンシップ決勝ではアルバルク東京が初優勝を果たした。今シーズンの総入場者数は250万人(昨シーズンから+11.8%増)を超え、チャンピオンシップ決勝の舞台となった横浜アリーナでは過去最高となる12,005人の入場者数を記録し、大迫力の声援が送られた。バスケットでそんなに観客が入るのか、日本のバスケットが果たしてそんなにおもしろいのか、とお考えの方も、ぜひ一度、お住いの地域の近くにプロバスケットボールチームが存在しないかどうか確認し、迫力満点のアリーナでBリーグを観戦して頂きたい。

 この集客力を生んだのは、各クラブの地域に根差した活動や、ホームアリーナにおける演出の工夫といった、バスケットを観たことがなかった人でも足を運んでみたいと思わせるエンターテイメント性を追求したことが大いに関係する。この勢いを大切に、NBA(National Basketball Association)を引退して日の浅いコービー・ブライアント選手や名将ポポヴィッチを招聘するなど、全てのバスケットボールファンがBリーグを観に行きたい!と胸躍るようなプロジェクトが始動しないかと期待している。Jリーグ草創期のジーコ選手がそうであったように…。

 もちろん、集客力の最大の要因としてバスケットボールそのもののレベルアップを忘れてはいけない。海外リーグでプレイした外国人選手も多く出場し、2m超の選手が豪快な空中戦を繰り広げたり、選手だけでなく多くの外国人コーチが展開する戦術・戦略もバリエーションを増しつつある。このような環境に対応・順応していくため、日本人選手はスピードやしつこいディフェンスの強化に努めた。優勝したアルバルク東京の小島選手や田中選手が決勝の舞台で体現した粘り強いプレッシャーディフェンスは相手エースを見事に苦しめたし、ボールを獲得してから物凄いスピードでダンクシュートを叩き込む馬場選手などを見ていると、Bリーグの取り組みが確実に「世界に通用する選手やチームの輩出」に向けて実を結び始め、これからの日本バスケットボール界の発展に向けたカギを握っていると感じる。

 2020年、東京五輪を迎える。バスケットボール男子日本代表は1976年のモントリオール大会以降、五輪出場から40年以上遠ざかり、東京五輪においても出場は確約されておらず、自力で出場権を獲得するか、開催国枠を設けるに相応しいと認めてもらう必要がある(注2)。来年開催のワールドカップに向けたアジア地区予選では、今のところ全敗中と厳しい戦いを強いられているが、Bリーグが確かな成長を遂げている今、まだまだ可能性は広がっているように感じてならない。

 日本代表のニックネームは「アカツキファイブ」、日出ずる国として新時代への夜明けを迎えると信じ、そのカギを握るBリーグの更なる発展を切に願っている。

注1…B1・B2・B3を含め45チームが所属。各所属地区に分かれて年間60試合以上を行う。
注2…日本はFIBA世界ランキング48位、2020年の東京オリンピックに出場できるのは12チームのため、あまりの実力差があると判断されると開催国枠を設けられない可能性もある。

[2018.6.11]
プロフィール

北村 麻衣

北村 麻衣(学習院大学 スポーツ・健康科学センター 助教)
2015年筑波大学大学院博士前期課程修了。同年4月より、筑波大学スポーツR&Dコア研究員としてオリンピック関連の研究開発に携わった。2016年より現職。

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