ホーム

特集

※掲載の肩書は取材当時のものです。

東南アジアの山村にとけこみ、持続可能性を探る海外協力研修プログラム~学習院ボルネオプロジェクト~

1/3

学習院大学の学長付国際研究交流オフィスでは、多彩な海外短期研修プログラムを企画・実施し、学生の国際体験を推進している。今回はボルネオ島での山村体験を通じて、途上国が抱える課題を具体的に学生自身が探求する海外協力研修プログラム「DISSOLVAボルネオプロジェクト」の目的と取り組みについて、経済学部の眞嶋史叙教授が語った。そのインタビューの模様をお届けする。

社会・経済の縮図を目の当たりにする体験

——眞嶋先生が立ち上げた海外協力研修プログラム「ボルネオプロジェクト」の発足の経緯について、まずはお聞かせください。

眞嶋史叙(学習院大学 経済学部教授)

 「ボルネオプロジェクト」は、経済学部の眞嶋ゼミの学生を中心に結成したボランティアグループ「DISSOLVA」が運営する国際フィールドワークプロジェクトです。グローバル人材の育成を目指す学習院大学の海外協力研修プログラムの一環として、2012年8月にマレーシアのボルネオ島で第1回のプロジェクトが行われました。

 準備を始めたのは、東日本大震災直後の2011年4月。当時の緊迫した状況の中、ゼミ生たちとディスカッションを重ねる中で「社会貢献がしたい」「国際協力ボランティアがやりたい」という声が高まっていきました。グループ名に冠した「DISSOLVA」とは、Diverse and Sustainable Solution-seeking Voluntary Actionの略であり、生物や文化の多様性を守りながら持続可能な経済発展を見据えたボランティア活動をしていこう、との思いが込められています。また動詞dissolveの派生語(造語)でもあり、地域や自然に「とけこむ」という学生発のコンセプトに重ね合わせています。

 フィールドワークの舞台に選んだマレーシアのサバ州は、世界有数の密林地帯が残るボルネオ島の北部に位置しており、豊かな民族多様性が見られるところです。候補地は他にもありましたが、イギリス・ケント大学で学位を取り、現在マレーシアサバ大学で教えているポール・ポロドン教授からサバ州のブアイヤン村を紹介してもらい、現地とコンタクトを取る中で、活動の拠点にすることを決めました。

 実施に向けた現地との折衝などは私が務めましたが、ボランティアの内容自体はゼミの学生が中心になって考えた、まさに手作りの企画です。また参加者は公募にすることで、より意欲のある学生を多岐にわたる学部・学科から集めることができました。

——「ボルネオプロジェクト」の具体的な内容とその狙いについて教えてください。

 東南アジアの急速な経済発展の渦中にあるマレーシアには、都市部に日本と変わらぬ近代化された街が広がる一方、ブアイヤン村のような手つかずの大自然の中で自給自足で生計を立てる村もあります。人口約150人が居住するブアイヤン村は生活水準は低いものの、恵まれた森林資源を持ち、子供や若者が多く活気にあふれています。また、それぞれが責任を持って自分たちのペースで共同作業をしながら営む生活スタイルは、コミュニティの絆も強く、精神的な豊かさを感じさせます。ある意味、街で賃金労働を強いられるよりもずっと豊かな生活をしているのではないか——そんな思いすら抱かせるのです。

 「ボルネオプロジェクト」の最大の目的は、そんな農村の暮らしぶりにボランティア活動を通じて“とけこむ”ことで、持続可能な経済発展とは何か、多様性とは何かということを体全体で感じようというものです。ただしそこで完結するのではなく、帰国後はプロジェクトの締めくくりとして、それぞれのテーマに基づき研究論文を仕上げることを課しています。そのため春から夏にかけて準備期間をしっかり取り、主に英語の文献をひもとき事前の調査を進めながら、各々がやりたいテーマを絞っていくことが欠かせません。

 さらに現地では自分のテーマに関して村民にインタビューなどを行い、帰国後の秋の大学祭で中間報告という形で発表する機会も設けています。また現地で食べた味を再現した「アジアンヌードル」を大学祭で販売し、一昨年は約800杯、昨年は約1000杯を売り上げ、現地での活動資金に充てています。

 ボルネオでは、目まぐるしい社会の変化を箱庭的に感じ取ることができ、住人一人ひとりの繋がりの中に社会や経済のあり方を見ることができます。日本にいては複雑すぎて分かりづらい社会の動きを、ミクロのレベルで感じ取る体験は、学生たちにとっては視野を広げる最高の機会となります。

密林トレッキング 。 村の若者たちが道中手助けしてくれた

カランガン村の夕焼け。村の子とすぐに仲良くなった

竹は万能。村で取れる竹でカゴを編む練習をした

プラスチック包装紙を再利用したお土産用のバッグ

カランガーン村を出発し、再び密林トレッキングに挑む

ブアイヤン村へのトレッキング。パパール渓谷を川下り

  • 1
  • 2
  • 3

最近の特集

総合企画部広報課ブログ

このページのコンテンツには、Adobe Flash Player の最新バージョンが必要です。

Adobe Flash Player を取得

関連リンク