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※掲載の肩書は取材当時のものです。

グローバル社会における『人の国際化』の推進 ~留学、海外経験から学ぶもの~

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留学を経験し、世界の一端を知る重要性

——来春からスタートする新学部、国際社会科学部では「人の国際化」に重点を置いたカリキュラムを組み、留学を必修としています。カリキュラムにおける留学の位置づけ、留学の役割についてお聞かせください。

星 明男(学習院大学 国際社会科学部開設準備室 准教授)

新学部では、4週間以上の海外留学をすることがすべての学生の卒業要件となっており、留学の前後には「海外研修Ⅰ」および「海外研修Ⅱ」という必修の授業が設けられています。入学直後の4月から履修する「海外研修Ⅰ」は、それぞれの留学の目的や意義について学生自身に考えさせるような内容が特徴です。海外で学ぶこと、生活することへの理解を深め、モチベーションを高めるとともに、自分にとって、どのような留学が適切であるのかを考え、実行するための計画を立てます。帰国後に履修する「海外研修Ⅱ」は、留学の成果を振り返りつつ、その後の大学での学習や卒業後のキャリア形成に留学経験をどう活かしていくのかを自覚的に考えさせることに重点を置いた授業となります。その過程で、各々の学生が考え、調べ、報告することで研修成果の価値を高めるとともに、海外で身につけたチャレンジ精神や積極的に行動する力を定着させるために、チームに分かれて討論や発表を行います。 留学のタイミングについては、基本的に学生の自由ですが、カリキュラム上、最短で1年生の夏に留学することが可能となります。帰国後には「海外研修Ⅱ」の授業を受ける必要があるため、短期であれば4年生の夏が最後のチャンスということになります。期間は最低4週間ですが、長ければ1年程度の留学をする学生も出てくるものと想定しています。

入江 恵(学習院大学 国際社会科学部開設準備室 教授)

入江
 国際社会科学部では「人の国際化」に重点を置き、卒業後には国際的なビジネスの場で活躍できる人材を育てていきたいと考えています。卒業要件として留学を組み込んだのは、大学時代に国際的な経験を実際にしておくことが、これから世界に出て行こうとする人間には必須であろうという考えによるものです。
 なお、留学先を選ぶにあたっては、SAF(The Study Abroad Foundation)と呼ばれる国際的な大学ネットワークと提携することで、留学アドバイザーとの一対一のカウンセリングを受けながら、希望の留学ができるよう学部としてサポートしていきます。加えて協定留学プログラムへの参加も可能なため、学生たちは実に多種多様な選択肢の中から留学先を選べるようになる予定です。(2015年10月現在、英語での海外研修先として、アメリカ25校、イギリス9校など英語圏を中心に、14カ国・地域の61校を準備)

——留学や海外経験は、学生の成長にどのような影響を与えるものとお考えでしょうか。

秋山
実は私が初めて海外で長い時間を過ごしたのは、30歳を過ぎてから。博士研究員としてアメリカで1年間暮らしたのですが、今思い返しても非常に貴重な体験であり、そういう意味では学生時代に留学ができることは非常にうらやましいと感じます。旅行や出張という形で数日間を滞在するのと、実際に町に腰を落ち着けて暮らすことはまったく別の体験です。自分とは異なる考え方をする人々と交流を持ち、また彼らを友人にすることは、これまでの人生を考え、将来を見直す意味で貴重な示唆を与えてくれることでしょう。可能であれば、若いうちにできるだけ長い期間を海外で生活する留学経験を得て、日本を見直す機会にしてほしいと思います。
私は20代の半ばになって初めて海外で長い時間を過ごしたのですが、その時に強く感じたのは、物事を進めていこうとすると必ず何らかの“交渉”が必要になるということです。例えば、部屋の電球ひとつを取り替えるにしても家主と交渉しなければならず、日本での生活との違いを痛感しました。新学部では、国際的なビジネスの場で通用する人材を育てることに重点を置きますが、実社会におけるビジネスには必ずと言っていいほど交渉ごとが絡みます。また海外には様々なバックグラウンドを持つ人がおり、相手を説得させるためのロジックを構築するには、相手のバックグラウンドに応じた工夫が必要になります。大学生のうちに、人と交渉して、人を説得して、何かを成し遂げたという経験を持つことは、社会に出てから必ず役立つものだと思います。
入江
学生時代に留学することの大きなメリットは、多様な背景を持つ外国の学生たちと一緒に授業に参加するという点にあるのではないでしょうか。海外留学では往々にして、相手の口を塞いででも発言しようとするような学生たちに囲まれることになります。「自分より英語の下手な学生が堂々と意見を述べている」ことに、大きなショックを受ける日本人学生は少なくありません。留学では必ずしもポジティブな経験ばかりができるわけではなく、落ち込んで挫折することだってあるのです。むしろ、そこを乗り越えることで、その後の大きな成長につながるように思います。
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