ホーム

特集

※掲載の肩書は取材当時のものです。

横溝正史ミステリ大賞 受賞作家を輩出~個性を伸ばす学習院中・高等科の教育~

2/3

先生を通して出会った世界が刺激に

——高等科時代の思い出をお聞かせください。

武市
逸木君は、自分の好きなことに対してマイペースな生徒でした。本を読んだり文章を書いたりすることが好きで、同級生によるといつもポケットに文庫本を入れていたそうです。加えて、中等科では野球部、高等科では吹奏楽部に入っていましたから、文武両道の生徒と言えるでしょう。もう一つ、高等科の現代文の授業では生徒たちに毎学期作文を書かせているのですが、当時、逸木君はありきたりな「作文」ではなく創作を書いてきてくれました。
逸木
いま考えると、あの作品は全然ダメでしたね(笑)。でもしっかり読んでくださってありがたかったです。武市先生は大変な読書家で、授業にもそれがにじみ出ていました。僕はそれまではSFやミステリしか知らなかったのですが、武市先生に「純文学も面白いよ」と教えていただいてからは、文学作品にも興味を持つようになりました。夏目漱石の『行人(こうじん)』など、先生が読んでいる本を、後を追いかけるようにして一生懸命読んだものです。高等科時代、武市先生からは本当に大きな影響を受けました。

——特に印象に残っている授業は何でしょうか。

逸木
高等科では、3年生の3学期になると比較的自由な授業が多くなります。その時期に武市先生が映画を見せてくださったんですが、それが北野武監督の『その男、凶暴につき』でした。高校生にはなかなか見せにくい作品でしょうが、僕はあの授業のおかげで知らない世界に出会い、興味の幅が広がりました。以来、北野作品を追いかけるようになりましたし、今も映画は大好きです。ほかの先生も、松尾芭蕉『おくのほそ道』を1年かけて読んだり、数学の先生が選択科目でデカルトの哲学書を扱ったりと、先生のパーソナリティーがにじみ出た授業が多くて、大いに刺激になりました。
武市
そう言ってもらえると嬉しいですね。映画に関して言えば、私が大の映画好きなので、生徒にもその魅力を体感してもらいたいと思ったのです。加えて、見た後に皆で語り合うことで、「映画を語る」とはどういうことなのかを知ってほしかった。映画を見せて、感想文を提出させるだけでは野暮でしょう(笑)。そのおかげか、映画に興味を持ってくれた生徒も多かったようです。
  • 1
  • 2
  • 3

最近の特集

総合企画部広報課ブログ

このページのコンテンツには、Adobe Flash Player の最新バージョンが必要です。

Adobe Flash Player を取得

関連リンク