笑いと涙と感動のエンターテインメント『逆境ナイン』。そのテーマソングに選ばれたのは、岡村孝子さんの国民的な応援ソング「夢をあきらめないで」である。今年でデビュー20周年を迎えた岡村さんに話を聞いた。
この夏、ハリウッドのSFアクションを熱気で吹き飛ばすような日本映画が登場する! 廃部寸前の弱小野球部が全力で逆境に立ち向かっていく青春映画『逆境ナイン』 だ。岡村孝子さんが映画にテーマソングを提供するのは初めてである。

「島本和彦さんが原作の漫画を描いているときに、私の『夢をあきらめないで』をずっと聴いていたっていうんです。それがきっかけでテーマ曲に使われることになりました。映画の主題歌というのは、23年ぐらい前、まだ“あみん”の時代に一度お話があったのですが、そのときはチャレンジしないまま、立ち消えになってしまったんです」
突然、校長から廃部を言い渡された全力学園野球部のキャプテン・不屈闘志は無謀にも甲子園出場を宣言する。映画化不可能と言われた奇想天外な物語が怒濤の如く展開する……。

「完成した映画は予備知識なしで観たので、予想もつかない展開に驚かされました。最後に自分の曲が流れると聞いていたので、映画の流れを壊さなければいいなとドキドキ緊張ばかりしていました。でも、最後のいちばん感動的なシーンで流れたので安心したっていうか、やっぱりぐっとくるものがありましたね。
あとでファンの人から原作の漫画をいただいて読んだら面白さが倍増しました。あらゆる世代の人が楽しめる青春映画だと思います。7歳の娘と一緒に鑑賞したのですが、彼女もゲラゲラとよく笑っていました。親子で一緒に楽しめたのも嬉しかったですね」

『夢をあきらめないで』が18年ぶりにシングルとしてリリースされるのも話題だ。「この歌はもともと、不甲斐ない自分を“しっかりしろ”と励ます失恋ソングだったんです。それが、いつの間にか多くの人に支持され、教科書にも紹介されて、いままた新しい世代にも聴いてもらえるのですから幸せです。
今回のCDは当時の音源をデジタルリマスターしただけで、アレンジやボーカルはもとのまま。原作者や監督が愛してくださったのは、18年前の原曲だと思ったので、その曲の持つ空気を残したかったのです」

「この夏、何かに挑戦しようという人は、元気をもらえると映画だと思います。受験でもスポーツでも子育てでも、何かに打ち込んでいる人に観てほしいですね」
笑って、泣いて、手に汗握って、最後には岡村孝子さんの曲に勇気づけられて、思いがけない感動に胸が熱くなる。『逆境ナイン』は不快な梅雨のジメジメや、夏の暑さを忘れさせてくれる痛快作である。