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高校時代からバイクが好きだった丸山裕さんは、「自分でバイクが作れるといいな」という動機から埼玉大学工学部に進学。3年生のとき、スポーツをテーマに少人数のグループでロボットの企画から実動までを競う授業があり、仲間と「剣道ロボット」に取り組んだころから工学の面白さに目覚めた。機械から電気・電子にも興味が広がり、4年次の研究室では超音波をテーマに選んでいる。
「その研究室では一人ずつ個別のテーマを抱え、自分の責任ですべてを決めなければならなかったのですが、振り返ってみればそれがよかった。工学系に必要なセンスは、自分で選択して実行することで得た知見を、また次の選択に活かすというくり返しの中で磨かれます。失敗も許される学生のうちに、それを十分経験できましたから」と丸山さん。
修士からは精密なジャイロセンサ(※)に用いられる「磁気浮上」に研究テーマを変更し、博士課程へと進んだ。
「4年で卒業するはずが、研究が楽しくて、結局大学に9年もいました」と笑う。
就職は、学会発表の場で知り合った尊敬する研究者の「うちの会社に来ないか」という誘いがきっかけだった。
「学会発表ではプレゼンテーション力も鍛えられました。優れた技術も使ってもらえないと意味がない工学系にとっては必須の力で、とても役に立っています」
現在入社2年目。大学院での研究が活かせる上に、社内のさまざまな事業に関わる分、裾野が広がる面白さを感じているという。
「大学入学時点で人生が決まるわけではありません。興味があればなんでもやってみるべき。必ず次につながります」というのが、後輩たちへのアドバイスだ。
(※)角度・角速度・振動を検知・検出する装置

宮崎加代子さんは料理とお菓子作りが好きで、「自分の手作りをみんなが喜んでくれるのが嬉しい」という高校生だった。大学選択時には将来就きたい職種が漠然としていたが、自分が好きなことで、人に喜んでもらえる仕事を考えていた。そこで、理系科目が好きなこともあり、大学に入ってからじっくり専攻を選べる工学部を選択したという。
群馬大学を選んだのは、オープンキャンパスがきっかけだった。
「研究室の雰囲気がよく、先生方のお考えもしっかり伝わり、学外との交流や産学連携も盛んと聞いて、就職にも役立つと思いました」と宮崎さん。
大学時代は環境化学の研究室に属し、小型でポータブルな重金属分析装置の研究開発に携わった。
「研究室は居心地がよく、たくさん刺激を受けました。予想通り企業のエンジニアと触れ合う機会も多く、自分が開発したものを企業の方々が実用化していくのを見て、研究と仕事のつながりがわかって楽しかったです」
在学中に装置の講習会で講師を務め、新たな分析手法を紹介した経験もある。これらの活動を通じて、自らが携わった製品でより多くの人を驚かせ、喜んでもらいたいと思うようになったことが就職先選びにつながった。
品質保証部門を経て、現在は携帯やスマートフォン用ディスプレイの設計を担当。変化の速い技術分野だが、大学での幅広い学びをベースに、職場の先輩たちの的確な指導や活発な議論の輪に支えられ、積極的に課題に取り組んでいる。
「進路に悩む人は多いと思いますが、人を喜ばせることが好きなら工学部がお勧めです」と、宮崎さんは自らの経験から語ってくれた。