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企業ナビ特集

第5回 エアバス・ジャパン株式会社

エアバス・ジャパン株式会社 代表取締役社長グレン・S・フクシマ氏

大型旅客機A380が日本デビュー
空の将来を支える快適さと環境配慮

グレン・S・フクシマ氏
エアバス・ジャパン株式会社 代表取締役社長

 欧州を代表する航空機メーカー、エアバス社の最新鋭大型機「A380」が日本にデビューした。機内空間が快適で、運航効率が高いという新型機。その特性などについて、エアバス・ジャパンのグレン・S・フクシマ社長(エアバス本社上級副社長)に聞いた。(聞き手・読売新聞東京本社編集委員 近藤和行)

空の旅を変えるゆったりと快適な空間

――最新鋭のA380がシンガポール航空の「シンガポール―成田」線で初就航しました。どんな特徴があるのですか。

 先端技術を搭載した次世代の大型旅客機です。世界で初めて総2階建てを採用し、床面積は、米ボーイング社のジャンボジェット「B747-400」の1・5倍あります。

欧州を代表する航空機メーカー、エアバス社の最新鋭大型機「A380」

 この広い空間をどう活かすかは、航空会社次第です。ボーイングの大型機に比べ、1階で53センチ、2階で185センチ広くなります。したがってどのクラスの座席もゆったりスペースを確保できます。機内にバーや免税店を設置することも可能です。機内の静かさも他の追随を許しません。「空の旅」を一変させる可能性があります。

――実際に運航する航空会社の評判はどうですか。

 他社は、機種によって操縦席の作りが違うのですが、エアバスは共通化しているのが特徴です。ですから、操縦しやすいと評判です。また、ボーイング製大型機に比べ、1人当たり約17%燃費効率が良い。そんなことも評価され、シンガポールのほか、中国、韓国、タイ、インド、マレーシア、オーストラリアのアジアの計7か国を含めて196機を受注しました。

増え続ける旅客需要、混雑緩和には大型機が有利

――将来の航空機の旅客需要をどう見ていますか。

ボーイングの大型機に比べて2階席の横幅が185センチ広くなった

 世界平均で年4・9%伸びると見ています。今後15年間で旅客総数は2倍、20年後は3倍になりそうです。アジアに限れば、伸び率はもっと高く年6・1%増。アジア域内の交流は今後も増え続け、旅客需要はますます旺盛になると思います。

――日本の航空会社などでは効率性を重視し、中小型機に切り替える動きもあります。

 旅客需要が増えると中小型機で問題になるのは、空港の混雑や渋滞です。事実、成田空港はすでに発着枠が足りず、アラブ首長国連邦(UAE)など10数か国の航空会社が、関西国際空港を利用しています。こうした理由で、今後は大型機に優位性があると思います。

エアバスの環境対策は世界トップレベル

――ところで、エアバス社はどんな会社ですか。

 1970年にできた航空機メーカーで欧州が本拠地です。世界160か所に事務所を構えていますが、日本、アメリカ、中国、アラブ首長国連邦(UAE)の4か所には現地法人を置いています。4市場がとりわけ重要だからです。

――環境問題への取り組みはどうですか。

 欧州は環境問題に厳しい地域で、エアバスの環境対策も世界トップレベルにあると自負しています。例えば、エンジンの吸気口付近に継ぎ目があると音が出やすいので、それを避けています。また燃費向上には流体力学をもとにきめ細かな設計が不可欠です。そんなことの積み重ねで二酸化炭素(CO2)の排出を抑えることに努めています。

 さらに、機体の廃材は100%リサイクルを目指しています。加えて、機体システムを作動させるための電源を賄い、CO2排出を抑えるため、燃料電池の開発にも取り組んでいます。環境対策に費やす研究開発は従来に比べ、今年度以降は25%増やします。こんな努力が認められ、昨年、ISO14001の認証を受けました。

――日本にいかに根付いて行くかも課題ですね。

 エアバスは20年以上前から日本メーカーとの共同生産を進めています。また、先進的な電子制御飛行システムを採用したり、軽く強い炭素繊維強化プラスティックを早くから活用するなど、技術面でも進んでいます。快適で環境にやさしい航空機を作る、身近な会社であることを地道に訴えたいと考えています。

(文中のボーイング社との比較データはエアバス調べ)

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