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  3. 読売BtoSサロン 第4回【Part 2】ねじれ国会と当面の政局
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読売BtoSサロン 第4回

【Part 1】

幼方 聡子氏/東レ株式会社 宣伝室長

 
【Part 2】

赤座 弘一氏/読売新聞東京本社編集局政治部長

読売新聞東京本社編集局政治部長 赤座 弘一(あかざ・こういち)氏

Part2ねじれ国会と当面の政局

赤座 弘一氏
読売新聞東京本社編集局政治部長

 世の中のあてにならないものの代表は「経済部記者の相場観と政治部記者の政局観と社会部記者の正義感」と言います。この言葉をご了解いただいた上で、今後どのように政局、国会が動いていくのか、衆議院解散、総選挙がいつ行われるのかについてお話しします。

ねじれ国会の現状

 福田政権が半年たち、成果の1つはインド洋での自衛隊の補給活動再開です。衆議院で3分の2の多数で参議院の否決を覆す強行策を取って、インド洋での日本の国際貢献を再開させました。

 次は2008年度予算の関連法案です。予算案自体は憲法で衆議院優越と決まっていますから、衆議院を通過さえすれば、30日後に自然成立します。問題は予算関連法案です。ガソリン税の暫定税率を10年延長するか否かがまだ決まってない。これ も2月29日に衆議院を通過しましたが、自然成立とはいきません。民主党の戦略は、3月31日の暫定税率の期限まで参議院で審議して否決も可決もしないでおき、そのまま期限切れになることを狙っています。

 これに対抗するため「つなぎ法案」という奇策が自民党から飛び出しました。暫定税率の期限を2か月延長し、5月31日にするものです。「衆議院を通過してから60日たっても参議院が否決も可決もしないときは参議院は否決したものとみなすことができる」という憲法の規定がありますから、「つなぎ法案」が通ると民主党の抵抗ができなくなります。これが民主党に対して非常に効果があり、衆参両院議長が乗り出してきて斡旋案を出した。民主党に「予算について徹底審議した暁には今年度中に採決します」という一札を入れさせる内容でした。これによって国会が収拾した。

 もう1つの課題は日銀総裁人事です。日銀総裁人事は「国会での同意人事案件」ですから、参議院で否決されたらつぶれてしまいます。

 与党は、副総裁の武藤さんにしたい。しかし民主党は2月末に与党が予算案と関連法案を採決したため、武藤さんは絶対に同意しないと言っています。だからといって民主党が前副総裁の山口さんを推薦しても無理です。任命権は政府にあり、民主党は拒否する権限はあっても推薦する権限はありません。民主党が推薦した人に決まると、民主党が決定権を持ってしまう。

福田政権半年

 福田政権は何をしたいかがよくわからない内閣だと言われています。福田さんが自民党総裁選で掲げた公約の中で独自の政策は「200年住宅」ぐらいでした。これは、この関係の推進議連か何かをやっていたからだそうで、ほかには目新しい政策がほとんどなかった。

 ただ、福田さんは7月の洞爺湖サミットは何がなんでも自分がやりたいと思っているでしょう。というのはサミットが東京で初めて開かれた時は福田赳夫さん(福田首相の父)がセットしたんです。ところがその後、赳夫氏は総裁選で大平正芳氏に負けたため、初めての日本でのサミットの議長役は大平さんになった。その当時福田さんはお父さんの秘書官をやっていたから、今回のサミットにはかなり強い思い入れがあると思います。

 また、福田さんは元来外交好きで、得意分野で点を稼いで、サミット後のしかるべき時期に解散に打って出たいという思惑もあるでしょう。

自民党内の対立軸

 福田さんが何をしようとしているかわからないため、自民党内で路線対立も起きています。

 例えば「人権擁護法案」を縦軸に、「タカ派」と「ハト派」を横軸にすると面白い相関図ができます。「人権擁護法案」を推進しようとしているのが、古賀選挙対策委員長と二階総務会長。彼らに加え、「ハト派」は福田首相、谷垣政調会長、中川元幹 事長、加藤紘一さん、山崎拓さんです。

 これに対して「人権擁護法案反対」「タカ派」には旧安倍政権の顔ぶれが集まっています。中川昭一元政調会長、安倍前首相、無所属の平沼さん、麻生さんらです。

 もう1つの座標は「公務員制度改革」が縦軸で、「経済」が横軸です。「公務員制度改革推進」「経済成長重視」が中川秀直元幹事長、山本一太さん、世耕元首相補佐官、塩崎恭久・元官房長官の旧安倍政権グループ。

 これと対極にあるのが「公務員制度改革慎重」「財政再建重視」で、与謝野さん、園田さん、野田毅さん、谷垣政調会長、伊吹幹事長らです。

総選挙はいつか

 私は衆議院は(来年9月の)任期満了ぎりぎりまでいくと思います。来年の予算審議まで「3分の2」の多数を温存しておきたいという与党の思惑もあります。また福田さんの支持率が下がっていけば、解散できず総辞職しかなくなります。タイミングとしては来年5月〜9月の間。6月か7月くらいに東京都議選があり、公明党が都議選と総選挙が近づくのを嫌うので、「ダブル」にしてしまおうという話もあります。

 現在、衆議院は自民党と公明党で336議席、民主党が113議席です。過半数は241ですから、よほど民主党が勝たなければ衆議院の過半数は取れない。逆に自民党と公明党は、3分の2は下回るでしょうが、241を下回ることはなかなかないで しょう。自民党と公明党で過半数を維持し、結局衆参のねじれは変わらなかったという中でどうするか。

ガソリン暫定税率〜今後のシナリオ

 3通りあります。与党にとって最悪のシナリオは3月中に参議院で採決されず、3月末にガソリンの暫定税率が期限切れとなって税率は下がる。しかし、衆議院を通過してから60日たっても参議院が否決も可決もしないときは、参議院は否決したものと みなし、衆議院で3分の2以上で再可決できる。法案は2月末に衆議院を通過したので、4月末にはこの60日規定によって再可決できる。暫定税率がいったん切れてまた復活する。与党は最悪のシナリオをそう見ています。

 与党にとって最良のシナリオは、民主党が観念して3月中の参議院での採決に応じること。参議院では否決されるが、すぐに衆議院に戻して3分の2以上で再可決できる。第3のシナリオは、与野党で修正協議が行われ、修正案が3月中に成立すること。これがもっとも円満な解決の仕方です。

 つい数日前まで、私は“3月危機”はないだろうと思っていました。衆参両院議長の議長斡旋で、自民・民主は「徹底した審議を行ったうえで年度内に一定の結論を得るものとする」と合意しているわけです。この合意はさすがに大きいだろうと思っていました。

 民主党が採決しないということは江田参議院議長の顔をつぶすことになります。場合によっては江田さんが議長を辞任する事態も考えられる。そこまでの危険を冒して斡旋を反故にすることはないと思っていました。しかし、民主党は2月末の衆議院の予算強行採決で態度を硬化させていますから、予断を許さない状況です。