インタビュー05

多くの出会いを糧に
挑戦を続ける人生を。

岡村 朱乃さん(輸送物流業・シンガポール在住)

世界を舞台に活躍する人材を育てる東洋大学。日本を飛び立ったその卒業生たちは、今どんな舞台に立っているのだろうか。ここでは、海外で働く卒業生たちのインタビューを連載。国境を越えて活躍する彼らの軌跡や思いを追うとともに、後輩へのメッセージも紹介する。

シンガポールで多彩な国籍の人と協働

 私は今、「DHL(ディー・エイチ・エル)」という国際輸送物流会社のシンガポール支部に勤務しています。世界中に広がる顧客の中で、私のチームが担当しているのはアメリカの某ネットワーク企業。その企業の提携先から不具合品を回収し、分析工場へと輸送する業務を行っています。提携先や工場は世界中にあるので、タイで回収してアメリカの工場に運んだり、日本からオランダに運んだりと、状況に応じてさまざまな国の人々とやりとりしています。

 現在のチームのマネージャーになったのは昨年のことです。それまでは日本企業を顧客とするチームにいて、メンバーはほぼ全員日本人だったので、日本の文化や習慣がそのまま通用する環境でした。現在のチームはおよそ10か国もの国籍のメンバーで構成されています。最初はどんな接し方が正しいのか悩みましたが、コミュニケーションの場を増やすなどの工夫を重ねるうちにお互いを理解できるようになり、今はとても楽しく働いています。

高校、大学での経験が大きな力に

東南アジア最高峰、マレーシア・キナバル山への登頂チャレンジの様子

 もともと両親が旅行好きで、小さい頃から海外へ行く機会が多かったので、自然と「海外で働きたい」と思うようになりました。最初はアメリカに憧れていましたが、高校時代に留学したアメリカで、タイ人の同級生から「タイでは人身売買が行われている」と聞いて衝撃を受け、アジアに興味を持つようになったのです。発展途上国の人々はなぜ貧困から抜け出せないのか。そんな疑問が日に日に膨らみ、帰国後はそうしたことを学べる大学を探しました。

 そして出会ったのが東洋大学です。オープンキャンパスでお会いした髙橋一男先生(国際地域学部国際地域学科教授)の「本学はあなたの期待に十分応えることができますよ」という一言で入学を決め、その言葉通りたくさんのことを学ばせてもらいました。フィリピンへの2度の留学、フェアトレードサークル「ハートバザール」での活動、さまざまな英語講座での学び、卒業論文での苦労──。すべてが今の私にとって大きな力になっています。

人生の選択につながる出会いを

 特に思い出深いのは、ゼミの担当教授のマリア・バレスカス先生(国際地域学部国際地域学科教授)との出会いです。先生とは留学先のフィリピンの大学で出会ったのですが、その後東洋大学に来られたので迷いなくゼミを選びました。卒業論文で苦労していた私に、先生がよく言ってくれた言葉が“Never give up. Believe in yourself.”(自分を信じて、最後まであきらめないで)。今も仕事で大変なことがあるたび、この言葉を思い出して自分を勇気づけています。

 もう一つ、私にとって大切な言葉が“Once in a life time Chance.”(一期一会)です。振り返ってみると、私はこれまで出会うべき人に出会うべきタイミングで出会い、そのおかげで人生の選択をしてこられたように思います。学生の皆さんも、ぜひ多くの人と出会い、多くの経験をしてください。それは必ず人生の糧になります。今を大切に、思いきり楽しく、そして挑戦を続ける人生を送ってください。

DHLサプライチェーン株式会社 シンガポール支社 チームマネージャー
岡村 朱乃(おかむら・あやの)
1988年生まれ、埼玉県出身。2011年、東洋大学国際地域学部国際地域学科卒業。高校時代にアメリカ、大学時代にフィリピンに留学し、卒業後はドイツの国際輸送物流会社「DHL」のシンガポール支社に入社。日本企業の国際輸送担当チームを経て、14年よりアメリカのネットワーク企業担当チームのマネージャーに。同企業の部品回収・輸送を手がける物流のスペシャリストであるとともに、さまざまな国籍のメンバー約60人をマネージメントする役割を担う。
岡村 朱乃