インタビュー09

新しい環境に飛び込んで
学びと経験を重ねる。

田中 亮さん(アパレル業・インドネシア赴任)

世界を舞台に活躍する人材を育てる東洋大学。日本を飛び立ったその卒業生たちは、今どんな舞台に立っているのだろうか。ここでは、海外で働く卒業生たちのインタビューを連載。国境を越えて活躍する彼らの軌跡や思いを追うとともに、後輩へのメッセージも紹介する。

その土地の特性を知る大切さを体感

 私は今、アパレルブランド「ユニクロ」の姉妹ブランド「ジーユー」の商品計画部で働いています。今の勤務先は東京にある本部ですが、その前は1年間ほどインドネシアに赴任して、当時テスト展開していた、ジーユーインドネシアでマーケティングマネージャーを務めていました。しかし、駐在員は私だけ。店舗運営から在庫・生産管理、営業まですべてを1人でこなさなければならなかったことから、業務の全般にわたって経験することができました。

 現地の店舗スタッフは全員インドネシア人でした。最初は不安でしたが、言葉の壁は身振り手振りとテンションで何とかなるものです。お互いに片言の英語で会話しながら、帰国するころには問題なくコミュニケーションがはかれるようになっていました。この経験から実感したのは、言葉は目的ではなく手段であることと、その国の市場特性を理解しないと商売はうまくいかないということです。例えばインドネシアは暑い国ですが、バイク用の上着としてダウンジャケットがよく売れる。売れ筋の色も日本とは違うので、こうした傾向を把握するまではいろいろと苦労しました。

常に新しい環境を求め続けて

 インドネシアへの赴任は自分から希望しました。もともと勤務していたユニクロからジーユーへ出向したときもそうだったのですが、どうも私は一つの仕事に慣れると新しい環境に身を置きたくなるようです。あと、自分も会社も今後の成長のためには海外に出なければという思いもありました。上司にもずっと海外へ行きたいとアピールし続けていたので、ようやく赴任の話がきたときは「よし来た!」と思いましたね。

 私は大学時代から服が好きで、同時に経営学を学んでいたことからアパレル業界志望でした。また、バレーボール部で上下関係やチームプレイの大切さを体験したこともあり、コミュニケーション力やリーダーシップを生かせる仕事がしたいと思い、ユニクロやジーユーを抱えるファーストリテイリングに入社したのです。インドネシアでの仕事はこの思いにぴったりで、とても充実したものでした。もちろん反省点もありますが、温厚でフレンドリーな人々に恵まれて、いい思い出もたくさんできました。

学生のうちに将来に役立つ「学び」を

 今後は、ぜひまた海外で仕事をしたいと思っています。夢は、ジーユーの事業を新しい国で立ち上げる際に参加して成功を収めること。インドネシアでの経験を生かすため、希望は東南アジアですね。今いる商品計画部で経験を積んで、次はその国の市場特性に合った商品を現地から本部に提案できるぐらいの存在になりたい。ジーユーが出店したことで、その地域の人々にファッションを楽しんでもらえるようになれば、こんなにうれしいことはありません。

 私の座右の銘は「迷ったら難しい方を選べ」です。難しい方にチャレンジして成功するためには、知識を学べるうちに学んでおいた方がいい。私は経営学部でしたが、今になってマーケティングや在庫管理をもっと勉強しておけばよかったと思うことが多々あります。学生の皆さんも、今のうちに英語などを学んでおいた方がいいでしょう。私は、海外で身についた語学力を帰国してからも仕事で生かしています。語学力やコミュニケーションスキルは、日本にいても必要不可欠な時代となりました。私もまだまだですが、やはり苦労は若いうちにしておくことをお勧めします。

株式会社ジーユー 商品計画部
田中 亮(たなか・りょう)
1980年生まれ、埼玉県出身。2002年、東洋大学経営学部経営学科卒業。卒業後、アパレルブランド「ユニクロ」を中核事業とするファーストリテイリングに入社。愛知や静岡でユニクロの店長を務めたのち、新規ブランド「ジーユー」の立ち上げに伴い同社へ出向。ジーユー立川店店長、エリアマネージャー、在庫コントロール部を経て14年よりインドネシアへ赴任し、店舗運営に関わる業務全般にあたる。15年2月に日本へ帰任し、現職。
田中 亮