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ホーム > キャンパスナウ > 2017 盛夏号 進化する大学

キャンパスナウ

▼2017 盛夏号

進化する大学

2017年4月、性的マイノリティの学生に対する支援と、性的指向や性自認への理解・啓発を目的として、GS(ジェンダー・セクシュアリティ)センターが設置されました。その目的と活動内容について伺いました。

略歴はこちらから

GSセンター

多様な「性のあり方」が認められる文化をつくる

関口 八州男/学生部スチューデントダイバーシティセンター課長

学生の提案をきっかけにGSセンターを設置

 GSセンターは、2015年3月に実施された「第3回 Waseda Vision 150 StudentCompetition」で、総長賞を受賞した学生団体「ダイバーシティ早稲田」の提案をきっかけに設置されました。コンペティションの後、学内の関係箇所が話し合いの場を設け、国内の大学では先進的な取り組みを行っている国際基督教大学のジェンダー研究センターにヒアリングに行くなど準備。2017年4月に、学生部の外局として新たに設置した、スチューデントダイバーシティセンターの一部門として運営を始めることができました。

 センターの目的は、性的マイノリティの学生への支援と、全ての学生が「性のあり方」に関する教養を身に付け、アライ(支援者)になるためのさまざまな施策を企画・運営することです。

 運営にあたって最も重視したのは、ジェンダー・セクシュアリティに関する知識とカウンセリングの経験がある職員を確保することでした。現在、NPO法人などで性的マイノリティの支援ならびに啓発のための講演会などを行っている、専門知識のある2人の嘱託職員が交代で常駐し、相談にのっています。また、学生スタッフも5人所属し、運営をサポートしています。

早稲田大学UD(ユニバーサルデザイン)マップ

早稲田大学ではユニバーサルデザインの考え方をもとに、誰もが安心して過ごせるキャンパスづくりを実践。「だれでもトイレ」や、バリアフリー情報、保育関連施設などの位置が記載されています。

「だれでもトイレ」のサイン

「アウティング」への理解浸透を図る

 設置から3ヵ月が経ちましたが、来所者は当事者学生、ジェンダー・セクシュアリティを学びたい学生、当事者ではないけれど相談をしたい学生など、さまざまなニーズを持っています。4月の実績では延べ約80人が来所しました。

 当事者からは、「健康診断での配慮はあるか」「戸籍上と学生証の性別を変えられるか」といった具体的な悩みや、自らのセクシュアリティに関する漠然とした不安を抱えた悩みなど、さまざまな相談が寄せられています。学生からの相談内容を顕在化し、学内関係箇所とも連携することで、誰もが過ごしやすいキャンパスを作るという当センターのミッションを少しずつ果たしていきたいと考えています。既に本学では「だれでもトイレ」※1の設置や、出席簿の性別欄の廃止などの改善は進んでいますが、引き続き、設備面での改善や教職員に対する「アウティング」※2についての理解浸透などを大学として行っていかなければなりません。

 また、来所に至らずとも、Webサイトの閲覧数が伸び続けていることから、潜在的なニーズがあることもわかっています。他大学や高校生からの問い合わせや、取材の申込みも予想以上にあり、世の中の理解と関心が高まっていることを実感しています。

 一方で、施設運営の難しさにも直面しています。GSセンターのフリースペースに集う人が抱えている状況やそれぞれが求めていることはさまざまで、全員に同じルールを当てはめることはできません。職員と学生スタッフは、日々深く悩みながら、今後のあるべき姿を一生懸命考えています。試行錯誤の繰り返しですが、センターを設置したことが大学のダイバーシティを推進し、全ての学生が等しく享受するキャンパス整備に寄与していることは間違いないと信じて活動しています。

「WASEDA LGBT ALLY WEEK」で行われたRainbow Tree企画

講演会「百合のリアル、知りたくない?」の様子

「東京レインボープライド2017」

誰もが誰かのアライになれる

 5月には啓発活動の一環として「WASEDA LGBT ALLY WEEK 誰もが誰かのALLYになれる」を開催し、ランチ会や講演会などを実施しました。また、今年のゴールデンウィークは代々木公園で開催された日本最大のLGBTの祭典「東京レインボープライド2017」に、昨年7月に発足したLGBT稲門会と共同でブースを出展し、早稲田大学として約100人が参加しました。

 まだ道半ばではありますが、ALLYの精神を大切にしながら、全ての学生がありのままで過ごすことのできるキャンパスを実現していかなければなりません。世の中の理解が進んできたといえ、まだまだ、気がつかないうちに当事者を傷つけている場面は発生しています。マイノリティであるがゆえの生きづらさを感じなくてすむ大学を目指し、学生を支援していきたいと考えています。

※1 性別を問わず誰でも利用でき、車椅子対応、オストメイト、オムツ交換台、ベビーチェアなどの機能がある
※2 本人の了解を得ずに性的指向や性自認などを暴露する行動

学生スタッフの声

創造理工学部 4年
ろーたさん

 学生スタッフの業務内容として利用者応対、事務作業、イベントの企画やサポートなどがあります。スタッフとして働くことで、性的マイノリティの方が早稲田にいたことだけでなく、ジェンダー・セクシュアリティに関心のある人の多さに改めて気づかされました。センター内での話は雑談であっても外には絶対に漏らさないようにし、利用者みんなが居心地の良い空間作りを心掛けています。私自身、知識的に未熟な部分がまだまだたくさんあるので、しっかりと勉強をして、マイノリティとマジョリティを結ぶ架け橋のような存在になりたいです。

関口 八州男(せきぐち・やすお)/学生部スチューデントダイバーシティセンター課長

1988年早稲田大学入職。その後、事務システムセンター、教務部教務課、法学部事務所、総長室秘書課、125周年記念事業推進室、総務部総務課、総長室秘書課を経て、学生部学生生活課長に着任。現在に至る。

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