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人気ホラゲ『零~濡鴉ノ巫女~』主題歌を作詞作曲 現役早大生シンガー・女優 AnJu

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AnJu/政治経済学部 3年

いつかジブリの主題歌を歌いたい

 作詞・作曲を手掛けた『HIGANBANA』が、人気ホラーゲーム『零~濡鴉ノ巫女~』(ぜろ~ぬれがらすのみこ~)のテーマソングに抜てきされ、高校2年生でCDデビュー。名前以外の一切の情報が伏せられたミステリアスな“現役高校生シンガーソングライター”の登場は、幅広い世代から注目を集めました。それから2年後の2016年、歌舞伎俳優・市川海老蔵さん主演のドラマ『石川五右衛門』(テレビ東京系)で重要な役どころを務め、ビジュアル解禁とともに女優としてもデビューを果たしたAnJu(アンジュ)さん。初のロング・インタビューで見えてきたのは、時に悩みながらも表現することを愛する、一人の大学生の素顔でした。

――歌手・女優として活動しているAnJuさんですが、音楽に興味を持ったきっかけについて教えてください。

 小さいころから、絵や小説など、何かを「作る」ことが大好きでした。音楽大学付属の小・中学校に通っていたので作曲の宿題が出ることがあって、自分が作った曲に詞を付けてみたら楽しかったというのが原点ですね。歌うことも大好きでしたし、ピアノをずっと習っていたということもあり、中学生くらいから自分で歌曲やピアノ曲を作るようになりました。

 デビュー曲の『HIGANBANA』は、音源化にあたって楽器の生音を入れたというくらいで、アレンジも含めてほぼ自分が作ったまま。思い通りの仕上がりになりました。ホラーゲームの主題歌だったので、「生死のはざまをさまよう」というテーマに合わせて歌詞を書いたのですが、高い建物に上り、「ここから落ちたら死ぬだろうな」とか「落ちていく間はどんな気持ちだろう」などと想像を膨らませて考えたことをつづりました。

 デビューしてからライブをしたのですが、私の歌を聴きに来てくださった方が何人もいて、うれしくて震えながらサインをしたのを覚えています。まさかそんな人がいるなんて信じられなかったんです。それまで自己満足だった世界が、初めてそうじゃなくなった。「私の歌で喜んでくれる人がいるなら、これを続けていきたい」と心が決まった瞬間でした。

――歌手デビューの後は学業に専念するために活動休止、そして早稲田大学政治経済学部に進学。早稲田大学にはなぜ入学したのですか?

 クラシック音楽の教育を受けましたが、音楽の道へ進むとしても、もっといろんな世界を見たい、もっと広い分野で多くの人と関わりたいと思ったんです。周囲の勧めも大きかったですね。

初めての殺陣もこなした『石川五右衛門』(テレビ東京系)のワンシーン(写真提供:テレビ東京)

――2016年にはドラマ『石川五右衛門』で、石川五右衛門(市川海老蔵)の昼の顔・白波夜左衛門が身を寄せる道場の娘、奥山奈々役として女優デビュー。撮影はいかがでしたか?

きりっとした衣装を身に着けた、撮影中のAnJuさん

 演技は初めてでしたが、たくさんのことを学ばせていただきました。時代劇なので所作も歩き方からして現代とは全然違う。殺陣(たて)もありましたし、知らないことばかりでした。また、“怖い”世界だと思っていたテレビの現場で最初はすごく緊張していたのですが、共演者の方から「そんなに気を使わなくていいんだよ。みんなで気軽に話すことが、作品をいいものにするから」と言っていただいて、それからは演技も吹っ切れたんです。撮影中は、(時代劇の撮影所がある)京都でずっと一人暮らし。慣れない環境で精神的にも大変でしたが、人間としても仕事人としても、成長できたと思います。

 撮影終了後の2016年秋学期は、“五右衛門ロス”になってしまいましたね。心にぽっかり穴があいた感じで、大学に行っても授業だけ出て、その後は曲作りに没頭するような日々。スランプに陥ってしまって、将来のことや作品についてすごく悩んだ時期でした。今やっと抜けてきたかなと思います。

――この4月から3年生になったAnJuさん。普段はどんな学生生活を送っていますか?

 お仕事やオーディションがあると大学に来られない日もありますが、演劇サークルに所属していて楽しく活動しています。私は企画担当なのですが、一つの舞台を作るためにしなければならないことがたくさんあって、とても勉強になります。自分が演じる側のときも、裏側でスタッフさんたちがこんなに多くのことをしてくださっているんだと分かるようになりました。

 空いた時間は曲作りや執筆などをしています。私は家に閉じこもっているのは駄目なタイプなので、近所を散歩しながら思い付いたメロディーや言葉をスマホに吹き込んで、それをパソコンソフトで形にしていきます。何かを見たり経験したりしないと、アイデアが生まれないんです。何事も自分で実感して、インプットを増やすことを大事にしていますね。

――学生生活をエンジョイしながらも、自身の表現を磨いているんですね。今後の目標を教えてください。

ジブリ映画を見て「歌手になりたい!」と思った小学3年生ごろ(写真左)。2人の弟と一緒に

 昔からクリエーティブなことをして生きていく以外のことを考えられませんでした。表現することは何でも好きなので、将来も作る世界にずっといたいですね。

 私の創作活動の原点となっているのが、スタジオジブリの映画なんです。時代や背景は違っても、あの一貫した世界観、久石譲さんの“景色が見える”音楽…本当にどれも大好きです。子どものとき、「ジブリ映画の主題歌を歌うために歌手になろう!」と思っていましたが、その夢に近づけるように、これからも頑張ります。

(提供:早稲田ウィークリー

AnJu(アンジュ)/政治経済学部 3年

【プロフィール】
 東京都出身。大学で好きな授業はオープン科目で、2016年度に受講した「現代音楽(戦後)」(担当:池原舞グローバルエデュケーションセンター助教)では、電子楽器のテルミンに初めて触れて感動。「いい授業がいっぱいあるので、早稲田大学に入って良かった」と語る。趣味は映画鑑賞で、『スナッチ』などガイ・リッチー監督の作品がお気に入り。

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