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▼スタディ・アブロード―早稲田から世界へ―

~早稲田からスペインへ~絶望的状況はサッカーが救ってくれた

押本 周(おしもと・しゅう)/国際教養学部 4年

 サッカー好きなスペイン人との出会いで語学も上達

 私は2年の秋学期から3年の春学期にかけて、10カ月間スペインに留学しました。大学入学後、週4回のスペイン語の授業を1年間履修した後に留学しましたが、初めの2カ月は個人的に南部アンダルシアのセビージャという街の語学学校に通い、残りの期間は首都マドリードから西へ200㎞ほどの所にある、サラマンカ大学で学びました。

(写真左)歴史ドラマのロケ地にも使われるサラマンカ大学(2018年に創立800周年を迎えます!)
(写真右)スペイン一美しいと評されるサラマンカのマジョール広場

スペインの理髪店でお任せにするとなかなか個性的な感じに…(笑)

 高校生のころから英語以外の新たな言語に挑戦したいと考えていた中で、将来仕事をするにあたってきっと役に立つだろうと思い、使用人口の多いスペイン語に興味を抱きました。しかしこれは表向きの理由で、実のところは、とにかくスペインのサッカーが大好きで、サッカー用語などに詳しくなって、スペイン語の実況中継を聞き取れるようになり、実際に現地で試合を見たいという純粋な欲望が大部分を占めていました。

 ついに憧れの地に行けるという期待が大きかったため、日本を去ることに対する寂しさはみじんもなく、最高潮のテンションでスペインに向かいました。しかし、そんな自分でいられたのも飛行機の中まででした。到着後、ホストファミリーに会ってあいさつをし、家の説明などを受けたのですが、話していることが全然理解できず、軽くパニックになってしまいました。初めての食事の際も、いろいろと質問してくれたことに対してほぼ受け答えができず、体に支障を来したのか、なぜか鼻血が大量に出てしまう始末…。スペインに着いてから最初の3日間は、とりあえず一度日本に帰って体調を整えたいという思いでいっぱいでした。

名門バレンシアCFのスタジアムにて

 そのような絶望的な状況の中でも私を救ってくれたのは、やはりサッカーでした。ありがたいことにサッカー好きのスペイン人と知り合い、一緒に試合をしたり、スタジアムに足を運んだりと、多くの時間を共に過ごすことができました。楽しい思い出ができた上に、サッカーに限らずさまざまなテーマの会話を重ねていったおかげで、スピーキングの力が自然とついていきました。正直なところ、学校での授業よりもためになりました。

 このように、私の場合はサッカーを通じてスペイン語力を伸ばすことができたので、何か新しい言語を始めたいという方がいたら、ぜひ“興味のあるもの”から入ってみることをお勧めします。

(写真左)街の教会で子どもたちとストリートサッカーをしたことも
(写真右)どこのバーにもあるテーブルサッカー(左手前が筆者)

 ご存じの通り、ヨーロッパは多くの国や地域が地続きでつながっているので、日本で国内旅行をする感覚で海外に行くことができます。私も週末や長期休暇を利用して、スペイン国内のみならず、18カ国に旅をしました。チェコやオーストリアのような、いわゆるヨーロッパらしいメルヘンチックな場所から、少し足を伸ばして、トルコやアフリカ大陸のモロッコといったイスラム文化圏にも行き、多様な文化を肌で感じました。また、私は世界遺産が大好きで、留学前に世界遺産検定の勉強をしていたこともあり、各遺産の背景などの知識がある分、人一倍楽しむことができました。皆さんも、建造物や街並み、食など、何かテーマを設定して旅をすると面白いかもしれません。

イタリアの南側にある小さな島国・マルタ共和国にも旅行へ

 ~スペインに行って驚いたこと~

 スペインと聞くと、強い日差しが降り注ぎ、暑さと同じように人も熱い国というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。私もそのうちの一人でした。確かに南部のアンダルシア地方などは、夏はヨーロッパで一番暑い地域で、私がセビージャにいたときも気温47℃という日がありました。しかし一方で、サラマンカのあるカスティーリャ・イ・レオン地方や北部のバスク地方、カタルーニャ地方の一部では雪も降り、冬はスキー場が大いににぎわいます。地域によって人の性格や言語、料理などもさまざまで、自然や文化がとても多様な国なんだなと感じました。

(写真左)湿度が低くカラッとしているので、47℃でも意外と平気
(写真右)スキーもできます!(左が筆者)

◎スペイン・サラマンカはこんなところ◎

 スペインの中西部に位置するサラマンカへは、首都マドリードから鉄道またはバスで約2時間半。大学や中世の大聖堂などがある旧市街は、街全体がユネスコの世界遺産にも登録されている。サラマンカ大学は、その昔コロンブスや『ドン・キホーテ』の作者セルバンテスなど多くの著名人も学んだ、スペイン最古の大学。

(提供:早稲田ウィークリー