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大賞に柴田元幸氏、奨励賞にアーサー・ビナード氏が決定(第六回早稲田大学坪内逍遙大賞)

 2017年10月2日、早稲田大学にて第六回早稲田大学坪内逍遙大賞の受賞者発表記者会見を行い、大賞に柴田元幸氏、奨励賞にアーサー・ビナード氏が決定と発表いたしました。

日中国交正常化45周年記念 日中大学生千人交流大会

 「早稲田大学坪内逍遙大賞」は、2007年に早稲田大学創立125周年を記念し創設いたしました。近代日本の文芸・文化の創造者ともいうべき坪内逍遙を顕彰し、その精神をひろく未来の文化の新たな創出につなげたいというのが、その趣旨です。この賞では、文芸をはじめとする文化芸術活動において著しい貢献をなした個人(もしくは団体)を隔年で顕彰しています。広く開かれた独自の意義をになう賞を目指しており、「大賞」のほか、これからの文化の担い手としての才能を応援すべく、「奨励賞」を併せて授賞しています。

 大賞受賞が決定した柴田元幸氏は記者会見にて「明治時代、日本にまだシェイクスピアの和訳がなく作品研究の進んでいなかった時期に作品の全訳をし、読みごたえある日本語にした坪内逍遙は翻訳者として偉業を成し遂げた。その坪内逍遙の名を冠した賞の受賞は大変うれしい。これまでの5人の受賞者は村上春樹さん・多和田葉子さん・野田秀樹さん・小川洋子さん・伊藤比呂美さんと、国際的にも活躍しクリエイトしている方々。その中に翻訳者である自分が加わることは、自分に限らず翻訳者という存在の必要性が認められたのだと思っている。」と述べました。

第六回早稲田大学坪内逍遙大賞受賞 柴田 元幸 氏(2017年10月2日、早稲田大学)

 また、奨励賞受賞のアーサー・ビナード氏からは「坪内逍遙の小説と脚本と評論と『シェークスピヤ全集』の偉業を見わたすと、ぼくの文筆の貧弱さが瞬時に炙り出されます。ただ、これまで日本の詩人たちの英訳と、母国の詩人たちの和訳を通じて、少しずつ自分の表現を広げることができたと思います。この奨励賞の思いがけないご縁が、もっとスケールの大きい仕事に取り組む力になります。尻に火がついた思いです。」とのメッセージが発表されました。

大賞:柴田元幸氏

 授賞理由:柴田元幸氏は、長らく英語作品の翻訳にたずさわってこられた。明治以降、百五十年近く、わたしたちの国の文化は翻訳をその大きな糧として育ってきたが、その中にあって、柴田氏の業績は最大・最良の一つであろう。柴田氏が翻訳者として生み出したことばは、日本語・日本文学に新しい可能性をひらくものであった。坪内逍遙は、翻訳・評論・実作を通じ日本近代文学成立に関わった人物であり、柴田氏の訳業は、まさに本賞を授賞するにふさわしいものである。

 プロフィール:1954年、東京都生まれ。アメリカ文学研究者、翻訳家。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞受賞。『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞受賞。トマス・ピンチョン著『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞受賞。アメリカ現代作家を精力的に翻訳するほか、『ケンブリッジ・ サーカス』『翻訳教室』など著書多数。東京大学特任教授、文芸誌「Monkey」編集人。

奨励賞:アーサー・ビナード氏

 授賞理由:アーサー・ビナード氏が1990年の来日以来、詩作からエッセイ、絵本、講演などを通じ展開してきた言語活動には、そのダイナミックさ、達成の深さと広がりの質において比類ないものがある。また、ラジオでの放送をもとに上梓した戦争体験者たちの探訪の記録『知らなかった、ぼくらの戦争』(2017)は一読、これまで知られなかった日本人、日系アメリカ人の戦争と戦後の真実に光をあてるもので、27年間の活動の集大成と評しうる。よってこの機会に、その徒手空拳で開始された日本での言語的冒険の総体に対し、敬意を表するとともに、顕彰を行う。

 プロフィール:1967年米国ミシガン州生まれ。詩人。ニューヨーク州のコルゲート大学で英米文学を学び、卒業と同時に来日、日本語での詩作を始める。詩集『釣り上げては』で中原中也賞、『日本語ぽこりぽこり』で講談社エッセイ賞、『ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸』で日本絵本賞、『さがしています』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。エッセイ集に『日々の非常口』『アーサーの言の葉食堂』、絵本に『ドームがたり』、翻訳絵本に『この本をかくして』など多数。2017年、文化放送のラジオ番組をもとに『知らなかった、ぼくらの戦争』を出版。

大賞授賞理由を説明する高橋源一郎選考委員長

奨励賞授賞理由を説明する加藤典洋選考委員

 受賞者には、正賞として表彰状、副賞として記念メダルおよび大賞受賞者には100万円、奨励賞受賞者には50万円を贈呈します。授賞式・祝賀会は11月6日にリーガロイヤル東京で開催いたします。

早稲田大学坪内逍遙大賞受賞者
第一回(2007年)大賞:村上春樹
奨励賞:川上未映子
第二回(2009年)大賞:多和田葉子
奨励賞:木内昇
第三回(2011年)大賞:野田秀樹
奨励賞:円城塔
第四回(2013年)大賞:小川洋子
奨励賞:小野正嗣・山田航
第五回(2015年)大賞:伊藤比呂美
奨励賞:福永信
第六回(2017年)大賞:柴田元幸
奨励賞:アーサー・ビナード
第六回早稲田大学坪内逍遙大賞選考委員
高橋 源一郎(委員長)
小説家、明治学院大学教授
鵜飼 哲夫 (副委員長)
読売新聞編集委員
松永 美穂 (副委員長)
翻訳家、早稲田大学教授
小野 正嗣
小説家、立教大学教授
加藤 典洋
文芸評論家、早稲田大学名誉教授
田中 光子
株式会社文藝春秋文藝出版局第一文藝部副部長
渡部 直己
文芸評論家、早稲田大学教授
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