
木場安田学園は江戸ゆかりの地、両国にあり、2年後には創立90周年を迎えられるそうですね。
安田本校は、隅田川のほとり旧安田庭園と横網町公園の深い緑に囲まれた立地にあります。創立90周年までには、近代的な学習設備を備えたスカイツリーを望む9階建ての新しい校舎が完成します。
木場進学校を目指し、大きな改革に取り組まれているとのことですが。
安田現在の中高教育は、過去問等を暗記させるなど、受験用の勉強に重点を置いているように思います。本来、教育のあるべき姿とは、国内外の社会が求めている人材を育成すること。社会の要請と学生の現状にズレが生じている日本の教育を是正していかねば、優秀な人間は育ちません。
本校では「どのような人材を輩出していくべきか」から逆算して、教育内容を決めていきます。基礎学力と幅広い人間力を兼ね備え、自ら学習に取り組むことができる学生を世に送り出していくことが我々の使命だと思っています。
木場最近の学生は基礎学力はあっても、社会適応能力等が課題と感じることがあります。教科書だけで完結するのでなく、社会を見せてあげるような教育も必要ですね。
安田私は50年近く国際社会で仕事をしてきました。特に国際会議では、日本の代表者が中身の濃い発言をすることが少ないように思います。ポイントをついた発言が尊敬され、人とのつながりを増やし、仕事に役立ちます。日本人は、まず苦手な英語を克服しなくてはならない。その上で、知識を磨き、コミュニケーションスキル、集中力、物事を冷静に率直に見る目、社交性などが必要です。
安田学園では、英語の特別コースを数年前からスタートさせ、アメリカ人の教師たちにより生きた英語を教えています。年に1回、ニュージーランドへ約1カ月ホームステイさせるなど、実践的な研修も積極的に行っています。こうして、グローバルに渡りあえる人間力の下地を作るのです。

木場具体的にはどのような改革を行っているのですか。
安田1923年の創立以来、実業中心の教育を行ってきましたが、1965年に普通科を加えてからは大学に進む生徒が増えてきました。最近では、難関大学の合格もかなりの実績をあげています。
今回の改革では、旧安田生命(現明治安田生命)の専務を務めた鈴木行二氏を平成19年から校長に迎え、学園全体の経営を任せています。また、中高一貫校の校長として進学校化に成功した実績のある、開智学園で校長を務めた高野孝先生に教育企画開発本部長として来ていただきました。学校の授業だけで難関大学の進学を目指せるプログラムを目標にしています。
木場教育内容もさらに充実させていくとうかがいました。
安田平成24年からは、難関大学への合格を視野に入れた「S特(スーパー特進)」コースを新設、「特進」「進学」を加えた3つのコース編成となり、全体的なレベルアップを図ります。
木場先生方の力量も重要になってきますね。
安田先生方の授業力向上のために、保護者、教員、校長・教頭等による相互参観も積極的に行い、授業ノウハウを共有しています。また先生方は積極的にセミナー等を受講して、意欲のわく面白い授業の進め方等を広く学んでいます。年末には、アメリカ数校の私立高校を視察してくる予定です。
木場難関大学に強くこだわる理由は何ですか。
安田教育研究のための設備や環境がより整っているからです。また全国から優秀な学生が集まるので、切磋琢磨して学び合え、本校の卒業生がさらに力を伸ばしていくことができるでしょう。同時に、本人の意思や適性も考慮した進路指導も必要だと考えています。成績順の進路指導ではなく、生徒や保護者と話し合い、何が好きで何に向いているかを見極め、それに従った進路プログラムを立てていきます。例えば、美術、会計等、将来就きたい仕事が明確な生徒には、最適な大学、学部、学科を目指せるようしっかりサポートしていきます。