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Vol.51BMW 3 Series
BMWの3シリーズがマイナーチェンジを受けた。加えて、フルモデルチェンジされたハッチバックモデルが日本に導入された。 3シリーズのマイナーチェンジは、まず外観のデザインが一部変更となり、例えば、ヘッドライトを覆うクリアレンズ下側の波形がゆるやかになり、キドニーグリルと呼ばれる独特なグリルからボンネットフードにのびるV字のキャラクターラインの角度が広がり、フロントウィンドウ両端へ至るデザインとなった。 操作面では、オートマチックがそれまでの4速から5速になり、マニュアルシフト感覚を味わえるステップトロニックの機能が、従来はシフトレバーを手前に引くとシフトダウンであった方向が逆になり、シフトアップは手前に引き、シフトダウンでは前方へ押す方式に変更となった。 発進加速の場合、体は後方へ置いていかれる状態になるため、今回改められたシフト方向が体の動きと一体になる。ブレーキを掛ければ、体は前へのめるので、シフトダウンは今回のようにレバーを押す方向であるのが自然だ。実際、レーシングカーでは当初からこの方向でシフトアップとダウンを行っている。 ところが、オートマチックのフロアシフトでは、これまでPの位置から手前にレバーを引く操作でポジション選択を行っており、その習慣をそのままステップとロニックや他のメーカーのティプトロニックといったマニュアル操作に取り入れたものだから、運転中の体の動きと逆にシフト操作をしなければならないという不自然さがあった。 ようやくこれで、自然なシフト方向となったわけだが、従来の操作に慣れ親しんだ身としては、再び混乱に陥らされることになった。だが、これは慣れるしかない。ちなみに、メルセデス・ベンツは、この前後方向のシフトを嫌い、左右方向の操作でシフトアップとダウンを行う道を選択している。 シフト操作で行数を食ったが、他に、ステアリング回転のロック・トゥ・ロックが3回転と、従来より素早くなっている。反面、高速道路でシフト操作をしようと片手運転になった場合、わずかな手のブレで進路が変わってしまうようになった。日本の高速道路でそうなのだから、速度無制限のアウトーバーンで大丈夫なのかと、そんな懸念が老婆心ながら頭をよぎった。 ところで、今回最大のトピックは、4気筒エンジンが全てバルブトロニック採用となったことだ。バルブトロニックとは、吸気バルブのリフト量をアクセル操作に応じて変化させることで、エンジン回転の制御を行い、従来吸気マニホールドに設置されていたスロットルバタフライを廃止したシステムである。吸気の流れの途中で障害物となるスロットルバタフライをなくすこの機構を開発したことで、大幅な低燃費と出力の向上を両立できたとBMWは語る。どれほどの燃費が改善されたかといえば、市街地走行で約10%であるという。 また、体感的に、アクセルペダルの操作に対するエンジン回転の反応が速くなったと思う。オートマチック車では、トルクコンバーターの滑りでそこを感じ取りにくいが、マニュアルシフト車を運転してみると、アクセル操作とクルマの反応が近づき、クルマとの一体感がいっそう高まる。 バルブトロニックとともに採用されたダブルVANOSと呼ばれる吸排気の無段階可変バルブタイミング機構の採用により、エンジン回転全体にトルクの厚みが増し、例えば、マニュアルシフト車の運転中に速度が落ちながらシフトダウンをせずにアクセルを踏み込んだ場合でも、滑らかな加速をもたらしてくれる。簡単に言えば、ギアチェンジをサボっても楽に運転ができるということ。 エンジン全体に静粛性が高まり、また、レッドゾーンに近づいても勢いを衰えさせる気配も無く、さらに高い回転まで回っていってしまいそうなほど気持ちよさそうにエンジンは回る。高回転域でエンジンを回せば回すほど、クルマは生き生きと走り、BMWらしさが増幅されてうれしい気分になる。BMWに乗る喜びは、ここにあるだろう。 今回は、あえてクーペに試乗をした。運転の楽しさを満喫するのであれば、スタイルもスポーティなほうがいい。BMWのクーペは、オーソドックスなスタイルだが、品のいいお洒落さがある。また、後席のすわり心地もなかなかいい。400万円そこそこの318Ciをマニュアルシフトで乗る。そんな粋な乗り方を夢見てはいかがだろう? |
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