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Vol.40PEUGEOT 206CC
オープンとクーペ、ふたつのボディスタイルがそれぞれにしっかりデザインされたプジョー 206CCは、試乗をした後に心地よい嬉しさの残るクルマだ。 オープンカーはとても気持ちのいい乗り物で、日本でもマツダのロードスターの普及以来、多くの人がためらい少なく手に入れる機運がある。しかしそれでも、布で出来た幌に一抹の不安を覚える人もあるだろう。実際、私の知人も不埒な人間に夜中、幌を切られたことがある。また、雨の多い日本では雨漏りの心配や、リアウィンドウの視界の悪さを気にする人もあるだろう。その点、メタルルーフであれば、ほとんどの心配事を無くしてくれる。プジョー 206CCも、そうしたメタルルーフを持つオープンカーだ。 基本部分は、3ドアハッチバックの206を生かしながら、206CCはフロントウィンドウの傾斜を大きく寝かせること、またトランクリッドを持つことにより、特にサイドビューの印象がクーペ状態でも全く新たになる。オープンにしたときのスタイルが美しいくあるべきなのは勿論だが、206CCはルーフを閉じた姿も他とは明らかに違った独自のクーペスタイルを持ち、存在感は抜群だ。個人的には、どちらのスタイルもカッコウ良く見え、見ているだけでも手に入れたくなる気持ちを起こさせられた。 メタルルーフは、電動で開閉でき、どちらへも約20秒で作動は終わる。手での作業が必要なのは、ルーフとフロントウィンドウを固定するロックの施錠と解除のみで、あとはトランクルーム内のトノカバーを引き出し、ルーフが収納される部分が間違いなく確保されていればよい。10km/h以下の速度であれば走行中でも開閉ができ、実際、有料道路の料金所で徐行する間に開閉を行えたのは便利だった。なぜなら、これから高速道路を走るという段になってルーフを閉じることができるし、あるいは信号のない有料道路では多少の雨はオープンにしていても苦にならないが、そこから一般道へ出る際にルーフを閉じることもできるのだ。その時、いちいち道路脇にクルマを止める必要がないのが有り難い。 フロントウィンドウがかなり傾斜をしているが、その分、シートレールを下げることでシート位置が低いため、よほど背が高くなければオープンにした時の風の流れは頭の上を越えて行く感じだ。高速道路を100km/hペースで走っても、サイドウィンドウを上げていればほとんど風の巻き込みが気にならないし、例えサイドウィンドウを下げていても、風の影響に鬱陶しさを感じることはない。風を楽しめる、そんな気持ちにさせるオープンカーだ。また、オープンにした際のフロントウィンドウ周りの剛性もしっかりしていて、揺れを感じるなどということはない。車体全体の剛性も十分で、オープンのままワインディングロードを走っても運転を楽しめた。
オープンにするための補強と、メタルルーフの自動開閉機構など車両重量を増加させる要素が加わり、実際、206CCの車重は重くなっているのだが、走りにそれを感じさせない活発さがあった。エンジンは、1,600ccで他の3ドア/5ドアハッチバックに搭載されているものと同じだが、低速トルクが十分にあるため、重さをものとせず加速する。心地よくクルマを走らせるためには低速トルクが大切であることを改めて実感させるエンジンだ。これに、学習機能が付いた4速オートマチックが組み合わされ、一般道から高速、さらにワインディングロードへと、走りの場面が変わる度にシフトアップとダウンのタイミングが絶妙に調整されるので、それもあって運転者の気持ちのままに走らせてくれる。 まさに、オープンカーの作り方を心得ていると感心させられた。 ボディカラーは、ブルー、レッド、シルバー、ブラックの4色。インテリアカラーは、ボディがブルーとレッドの場合はブラックレザー、シルバーとブラックではレッドとブラックのツートーンレザーとなる。オープンの雰囲気からすれば、ツートーンくらいの派手さがあってもいいと思う。ちなみに、フランスにはもう一色、黄緑のボディカラーがあるそうで、その場合のインテリアはイエローとブラックのツートーンになるという。そんな華やかな206CCは、いっそう映えるのではないか。 今年は5月末からの発売で、2001年モデルとして700台が輸入されるが、予約の段階でほぼ完売しているという。今すぐ予約をしても、手にできるのは年内に間に合うかどうか。すでに日本でもそれほどの人気である。現物も見ず、試乗もせずによく購入予約を決断できたと思うが、試乗をしての感想は、その英断に間違いはなかったといえる。275万円。スポーツモデルの206S16は別として、他の206より70万円以上高いが、206CCの魅力はそれでも余りある。 |
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