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砂漠の雄、不況に涙

 自動車業界の業績急悪化は、モータースポーツを直撃、4日には三菱自動車のダカール・ラリー参戦中止が発表された。撤退の連鎖は止まらない。

 北アフリカの砂漠を主戦場としてきたダカール・ラリー。砂丘を突っ走るパジェロの姿は大会名通称「パリ・ダカ」の名とともに、モータースポーツの新しい魅力をファンに伝え、パジェロの販売促進にも貢献した。また、1997年大会では篠塚建次郎が、2002、03年には増岡浩が2大会連続で優勝するなど日本人選手も活躍した。1983年から26大会連続出場、優勝12回を数え、三菱自動車の象徴ともいえるイベントだった。

 しかし、治安問題で昨年大会が中止、南米に開催地を移した今年の大会(1月)で三菱は不本意な結果に終わった。初めてディーゼルのレーシングランサーを投入して大会8連勝を目指したものの、増岡が初日に故障でリタイアするなど総崩れ、10位が最高だった。

 三菱は67年に豪州のラリーに初出場、一貫して「サーキット外の競技」を主戦場としてきた。ランサーを使った世界ラリー選手権(WRC)ではドライバー部門で96〜99年まで総合4連覇した。しかし、本業の業績が不振となり、05年限りでWRCから撤退。年間50億円以上と推定されるWRCに比べ、単体イベントのダカール・ラリーでは予算は20〜30億円程度。「ダカールに専念、必勝態勢で挑む」と大きなプレッシャーを受けて戦ってきた。

 増岡は撤退について、「連続出場してきただけに残念だが、経営環境が理由では仕方がない。2度も頂点に立たせてくれた素晴らしいチーム」と話した。

 これで三菱は本社が直接かかわるモータースポーツ活動をすべて終了、富士重工、スズキがWRCから撤退したため、国内メーカーのサーキット外競技への直接参加もなくなった。自動車メーカーは世界的に経営環境が悪化しているが、F1をはじめ、日本以外のメーカーでは主立った活動停止の動きはない。経営危機にあえぐ米ビッグ3でさえ、米国の人気シリーズ「NASCAR(ナスカー)」への参戦継続を表明しており、日本勢との姿勢の違いが際だっている。

2009年2月5日  読売新聞)
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