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日本GP展望…本命レッドブル、対抗マクラーレン

最後の鈴鹿・2006年日本GP勝者だったF・アロンソ(ルノー)*写真は2009年シンガポール(Photo:Hirao Nishiyama)

 10月4日(日)、2006年以来、3年ぶりに鈴鹿サーキットへ日本グランプリが帰って来る。鈴鹿では通算21回目の日本グランプリである。

東コースを再舗装、コースレコード更新は必至

 ここ3年の間に、鈴鹿とF1は少なからぬ変貌を遂げた。サーキットはコースレイアウトの変更こそ一切ないものの、付帯設備のリニューアル工事の際、シケイン→ストレート→1〜3コーナー→S字区間→ダンロップカーブまでのいわゆる東コースが再舗装され、旧舗装のままの西コースに比して平滑度と摩擦係数が極めて高い路面に生まれ変わった。

 F1マシンは、3年前と比べると主に空力関連のレギュレーションが変わりダウンフォースは減少しているが、いっぽう今年から溝のないスリックタイヤが復活。接地面積が20%増加したことによってグリップが向上、ダウンフォースの減少分をカバーし、各サーキットでのラップタイムはわずかながら速くなっている。

 さらに東コースの路面グリップ自体も格段に上がっていることから、鈴鹿でも「コースレコード更新は必至」と噂されている。

 このような背景を踏まえて、今年の鈴鹿がどんな展開となるか予想してみよう。

強いダウンフォース備えるレッドブルが優位

 鈴鹿サーキットはシルバーストンやスパ-フランコルシャンなどと同様、テクニカルな中〜高速タイプである。コーナーを安定してクリアするには強いダウンフォースが必要で、この点ではレッドブル(セバスチャン・ベッテル/マーク・ウエーバー)が一頭地抜けた存在。ポールポジション獲得の筆頭候補には、このレッドブルを挙げたい。ベッテルは鈴鹿でのレースは初めてながら、3年前に試走をした経験がある。

 これに続くのはマクラーレン(ルイス・ハミルトン/ヘイキ・コバライネン)、フェラーリ(キミ・ライコネン/ジャンカルロ・フィジケラ)で、マクラーレンは空気抵抗も大きいがパワフルなメルセデス・エンジンとKERS(運動エネルギー回収装置)パワーで、シンガポールに続く連勝を狙って来る。ハミルトン、コバライネンとも鈴鹿初体験ながら、たった数周でコースを把握するに違いない。

 フェラーリも本来なら優勝候補として挙げたいところだが、シンガポールでライコネンが「フェラーリは来季の戦いに集中する。そのためもう今年は、F60の開発をこれ以上進めない」と語ったように、多くは望めない状態。ライコネン自身も、フェラーリの在籍は今季限り、と噂されており、モチベーションの変化で表彰台の登壇さえ難しいかもしれない。

 目下、ドライバーズ・ランキングのリーダーであるジェンソン・バトン、ランキング2位のルーベンス・バリチェロを擁するブラウンGPもコンスタントな速さを保持するが、鈴鹿のような中〜高速タイプのサーキットは苦手で、ポールポジションは望み薄であり、優勝候補にも推し難い。

鈴鹿知り尽くすトヨタ、台風の目になる可能性十分

 コースとの相性という点では、鈴鹿に似た性格を持つスパ-フランコルシャンで予選最前列を得たトヨタ(ヤルノ・トゥルーリ/ティモ・グロック)に注目したい。鈴鹿でチーム初優勝を狙う同チームは、鈴鹿専用パーツをシンガポールに前倒しで入れており、グロックが2位に入賞したことから、台風の目になる可能性は十分。苦手な雨にならないことを祈るばかりだ。

 鈴鹿向きという点では、フォースインデアのマシンのパフォーマンスも気にかかる。エイドリアン・スーティルは鈴鹿を知り尽くしており、予選のポジション次第では好走を見せてくれるだろう。

 本命はレッドブル、対抗マクラーレン、要注意がトヨタと来て、穴的存在はどこか? ここでは2006年のウイナーにして、レース巧者のフェルナンド・アロンソ(ルノー)に注目。予選がどんな位置でも、必ず表彰台をうかがうところまで浮上して来るのは必至である。

 10月4日(日)、日本グランプリの決勝スタートは午後2時。ピットストップは2回。これがピットストップで給油する最後のレースであり、ピットワークにも注目してほしい。

プロフィール

西山平夫  にしやま・ひらお
 1952年新潟県生まれ。レース雑誌「オートスポーツ」編集部を経て1984年、フリーランスのモータースポーツ・ライターとして独立し、国内外のレースを取材。1990年からはF1取材がメインとなる。現在「Racing On」「F1速報」「NAVI」などに寄稿。主な著書に「キレて疾れ! 片山右京を追ったF1GP日記」「ブリヂストンがグッドイヤーを追い抜いた日」などがある。趣味は居酒屋&古本屋探訪。贔屓のF1ドライバーはM・ハッキネン。現役ではF・アロンソ。
2009年9月29日  読売新聞)
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