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首都高の距離別料金制導入 利用者半数値上げに
首都高速道路会社は、来年10月、同じ路線なら何キロ走っても同じだった現在の均一料金制を距離に応じて変わる料金制に改める方針だ。 運送業負担増に危機感距離が長いほど料金が上がるのは合理的だとの評価もあるが、利用者のほぼ半数には値上げとなり、長い距離を走る運送業者やタクシーの業界は負担が増えると心配している。また、ノンストップ自動料金収受システム(ETC)を使わずに現金で支払う場合は、上限の料金を払わねばならず、戸惑いや反発の声もある。(伊藤剛) ■来年10月から 首都高が9月に発表した新料金案は、普通車で700円均一の東京線について、入り口から出口までの距離に応じて400〜1200円とした。走行距離が19キロ以上になると現在より高くなる。東京線以外の神奈川線や埼玉線も距離で料金に差を付ける。首都高の渡口潔執行役員は、「導入は利用者の負担を公平にするため。現行料金より高くなる車と安くなる車は半々で、値上げに当たらない」と説明している。 阪神高速道路会社も08年度中に距離別の料金制に変える計画で、大阪府中心部などを通る阪神東線で、400〜1200円(普通車)とする案を9月に発表した。 ■距離把握可能に 東日本、中日本、西日本の高速道路会社は元々距離別の料金になっている。首都高も民営化前から導入を検討したが、出口の料金所を作るのに多額の費用がかかる上、渋滞につながる恐れもあり、「入り口で料金を取る均一料金制にするしかなかった」(国土交通省有料道路課)という。 ところが、2001年3月、ETCの本格導入が始まり、出口の料金所がなくても走った距離を把握できるようになった。また、首都高のETC利用率は今年10月には平均で77・5%まで伸び、普及も進んできた。 ■道路建設の思惑 高速道路の建設費は料金収入で返さねばならないが、今後も予定する環状線の整備などに1兆円以上かかる。建設費を賄うには、現在の一律700円では足りないとみられている。しかし、民営化による値下げを期待する声は大きく、新しい路線を使わないドライバーにも一律で建設費用を求めるのは困難だ。首都高では新線開通で道路の流れがよくなれば、長距離の利用が増えるとみている。このため、新線の恩恵を受ける長距離の利用者に多く負担してもらいたい考えだ。 ETC代替機レンタル■首都高X ETCを使わず現金で払う場合は1200円の上限額を払わねばならないが、現状では、首都高利用者の2割は現金払いだ。年に数回しか首都高を使わないドライバーにはETCの利用に必要な機器の購入にかかる数万円は痛い出費だ。 このため、首都高は、ETCの代わりに使う通信装置セット「首都高X」をレンタルする方針だ。現在の案では、ドライバーは3000円程度を払い、高速道路近くの店舗や自動販売機で、シガーソケットに差し込む小型通信機と電子マネーカードを受け取る。料金所で車を止め、上限額をいったん同カードで支払うが、実際に走った距離との差額分が、翌日同じカードに振り込まれる。ただし、ETCなら受けられる時間割引などの特典を受けられないなどサービスに制限があり、普及には課題が多い。 ■不安と反対の声も 今月23日、神奈川県トラック協会は横浜市内で距離別料金制導入反対のデモを行った。トラックなど大型車は長距離を走る上に、普通車の2倍の金額を取られるため、影響は大きい。 全日本トラック協会の矢島昭男常務理事は「このまま導入されると協会のメンバーは83%が値上げになる。軽油の値上げに苦しむ中で容認できない」と訴える。また、モータージャーナリストの岩貞るみこさんは、「トラックが一般道に集中すると事故の恐れが増える。排ガスによる環境への影響も心配だ」と話している。 首都高は最終料金案を来春までに決める。08年6月ごろに東京都など6自治体の議会の承認を得た上で、8月に国の認可を得て、10月に新料金制を導入するスケジュールだ。今後は、首都高による新たな料金割引の具体化や料金制度に対する議論が高まりそうだ。 (2007年11月28日 読売新聞) |
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