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ディーゼル車「低公害」欧州では人気

黒煙やNOx大幅に改善

 「うるさい」「排ガスが汚い」などのマイナスイメージが強いディーゼル車。ところが欧州では逆に「環境に優しい」と人気が高く、西欧では乗用車の新車販売の半分近くがディーゼル車だ。日欧の評価が逆な理由は、ガソリン車との特性の違いにある。(栗原守)

燃費の良さ

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東京モーターショーでプジョーが展示したディーゼルエンジン。欧州メーカーはディーゼル車展開に積極的だ

 ディーゼル車とガソリン車の違いは、燃料に使う軽油とガソリンの性質の違いによるところが大きい。

 火を近づけると引火する温度(引火点)はガソリンがマイナス46度以上、軽油は約40度以上。一方で、空気中で自然に発火し始める温度(着火点)はガソリンが約500度、軽油は約350度。ガソリンの方が火を近づけると燃えやすいが、自然発火しやすいのは軽油の方だ。

 だからガソリンエンジンは電気の火花で点火するが、ディーゼルエンジンは気化した軽油を圧縮して自然発火させる。点火のタイミングがずれたりせず、構造も単純なため、一般的にガソリンエンジンより熱効率が良く、燃費もいい。地球温暖化を招く二酸化炭素(CO2)の排出量も少ない。

 ノッキングなどの誤動作が少なく、エンジンの高出力化も図りやすい。重い荷物を運ぶトラックがディーゼルエンジンを積むのは、このためだ。

地球温暖化に関心

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(上)来年には国内でディーゼル車発売を予定している、メルセデス・ベンツ「Eクラス」
(中)国内でほぼ唯一の乗用タイプディーゼル車、トヨタ自動車の「ランドクルーザー100」
(下)BMWが西欧で売る乗用車の過半数はディーゼル車(写真は530d)

 一方、「窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)・黒煙の排出量が多い」といった短所は、コモンレールシステム=「即解カーテクノ」参照=などの技術で改善されつつある。地球温暖化問題への関心が高い西欧では、新車販売の半分近くはCO2排出量が低いディーゼル乗用車。独BMWがフランスで売る8割以上を占める。日本メーカーも欧州ではディーゼル車を販売し、トヨタ自動車は高級車「レクサスIS」でもディーゼル車を発売予定だ。

 しかし、大気汚染が社会問題となってきた日本国内では「排ガスのすす=公害」というイメージが強い。国内ではトヨタの「ランドクルーザー」にディーゼル車があるだけで、ディーゼル乗用車は新車販売の0・1%にも満たない。

普及の余地

 ディーゼル車はエンジンが頑丈で高価なため、車両価格はガソリン車より高い。しかし、燃料の軽油は日本ではガソリンより安く、普及の余地はある。「ディーゼル=悪」の誤解が消えるのをにらみ、欧州メーカーは日本へのディーゼル乗用車の売り込みを図る。独メルセデス・ベンツは来年にも「Eクラス」のディーゼル車を発売予定だ。

 日本メーカーはガソリンハイブリッド車で対抗する構えだが、最も低公害なのは、ディーゼルと電気モーターを組み合わせたディーゼルハイブリッド車のはず。高速網が発達して渋滞が少ない欧州ではディーゼルハイブリッドのメリットは小さいが、「停止、発進を繰り返す日本の道では、ディーゼルハイブリッド車こそ低公害車の主役」という見方もある。


(2005年12月11日  読売新聞)

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