野村、未到V3への道
競技が本格的にスタートする8月14日、二つの偉業が達成される可能性がある。一つは柔道男子60キロ級の野村忠宏(ミキハウス)が目指す五輪3連覇だ。
若さと勢いで優勝した1996年のアトランタ大会、一本を連発して2度目の金メダルに輝いた4年後のシドニー大会。そして、今回のアテネは、円熟期を迎えた柔道家の集大成となる。
シドニー大会の後の約1年間、米国へ語学留学。アテネを目指して新たなスタートを切った2002年の講道館杯などで惨敗。翌年の世界選手権は代表の座を射止めたが、3位に終わった。「柔道人生で最も悔しかった」と振り返る敗北。しかし、歯を食いしばって銅メダルを獲得した姿は、五輪での完全復活を予感させた。
五輪の柔道競技では、斉藤仁(現・全日本男子ヘッドコーチ)、ドイエ(仏)らの2連覇が最高。日本人が個人種目で五輪3連覇を達成した例もない。「技は今の状態を維持すれば大丈夫。あとは体力」。前人未到の領域へ、野村が加速していく。
谷は連覇かけ
同じ日にもう一つの偉業に挑戦するのが谷亮子(トヨタ自動車)だ。日本人女性では、誰も達成していない五輪連覇に向けて、ミセス・ヤワラも順調な調整を続けている。
勝ち続けてきたからこそ、勝つことの難しさを誰よりも知っている。「これからの数か月が勝負。スピードや瞬発力を磨き、技の数も増やしたい」。今回は、何よりも心強い支えがある。プロ野球選手の夫、佳知外野手も野球の日本代表としてアテネに行くことは確実だ。夫婦そろって金メダル――。実現すれば、この夏一番の思い出になる。
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柔道の見所 |
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8月14日 男子60キロ級の野村忠宏が前人未到の五輪3連覇に挑戦。女子48キロ級では、結婚した谷亮子が日本人女性初の五輪連覇を狙う
15日 男子66キロ級に内柴正人出場。60キロ級から階級を上げて、息を吹き返した苦労人。女子52キロ級は、世界選手権大阪大会3位の横沢由貴に期待
16日 男子73キロ級は、高松正裕の切れ味鋭い背負い投げに注目。女子57キロ級は、シドニー五輪銅メダルの日下部基栄が復活を目指す
17日 男子81キロ級は、混戦を勝ち抜いて代表の座をつかんだ塘内将彦が出場。女子63キロ級は、谷本歩実が天才肌の柔道でメダルに届くか
18日 男子90キロ級は、明大のホープ泉浩の若さに期待。女子70キロ級世界女王の上野雅恵は、2度目の五輪挑戦で金を手にするか
19日 男子100キロ級の井上康生が全日本Vを逃した悔しさをぶつける。女子78キロ級の阿武教子は過去2度の五輪で初戦敗退。三度目の正直で金なるか
20日 男子100キロ超級は、悲願の初代表の鈴木桂治の足技に注目。巨漢に勝負を挑む。女子78キロ超級の塚田真希は、長身の中国勢をどう攻略するか
※男子66キロ級、女子57キロ級は代表候補(日付は現地時間)
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(2004年5月5日付 読売新聞 無断転載禁止)