今年のFX業界、何があった?政権とのパイプ役、早速の貢献今年もさまざまなニュースが踊ったFX。その中から、個人投資家にとって影響の大きかったものを振り返ってみたい。 特に影響の大きいものの一つは、「不公平税制」の解消。店頭取引FXと取引所FXの間にあった税率の格差が、一律20%(所得税+住民税)に一本化されることが決定した(実施は2012年から)。 「マット今井」として人気を博した元為替ディーラーで、現在は民主党衆議院議員である今井雅人氏の尽力も、不公平税制解消に一役買ったようだ。まだ誕生して13年と歴史の浅いFX業界だが、政府とのパイプ役が生まれたことによる好影響が早速現れた形だ。 ユーロ圏債務危機、個人投資家の指向にも影響金融市場を揺るがせたユーロ圏の債務危機は、個人投資家の取引にも影響を与えた。「円売り一辺倒」「クロス円(円の絡んだ通貨ペア)一辺倒」からの脱却だ。 これまでの日本人のFXは、馴染みのあるクロス円の取引に専念し、スワップ金利も視野に入れた外貨買い・円売りを行う投資家が多かった。しかし、くりっく365の取引データなどを見ると、ユーロ/米ドルなど外貨同士の通貨ペア取引や、クロス円でも円買い取引が顕著に増えたことが、今年一年の現象だった。 レバ規制の影響、バイナリーオプションが普及また、バイナリーオプションの普及も2011年を象徴するできごとだろう。8月、レバレッジ規制により上限が25倍となり、FXの投機的な魅力は薄まった。その代替として、一攫千金の夢を追う投機的な投資家が選んだのが、バイナリーオプションだった。 実際、バイナリーオプションでは、10万円が1か月で10倍になったといった話をよく聞く。もちろん反対に資金がゼロになるリスクも高く、計画的な資産運用にはまったく不向きな商品だが、余裕資金の範囲で楽しむなら、非常に面白い商品ではある。 そのほかにも、「日本のFX業界全体での証拠金残高が1兆円を突破」「世界標準の取引ツールであるメタトレーダー4(MT4)を採用するFX会社が増加」「世界的FX大手の相次ぐ日本進出」「動画サイトでのFX取引放送ブーム」といった注目すべきニュースもあった。 2012年も、FXが資産運用の強力な武器になることはもちろんだが、「次はどんなサービスが登場するのか」「どんなことが起こるのだろうか」といった視点からも、私たちを楽しませてくれそうだ。
(2011年12月28日 読売新聞)
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