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FX人民元はなぜ盛り上がらないか

米中首脳会談を前に人民元高が進行

 FXで人民元投資を――。そんな気運がいまいち盛り上がらない。世界経済の牽引役として期待される中国。その通貨である人民元には、円が高度経済成長を経て1ドル360円から100円台へと急騰したのと同じような動きが期待されている。

 人民元は対ドルで2010年には1ドル6・83前後だったのが、最近では6・28台へと元高が進行するなど、最高値を更新してきている。8%ほどの元高だ。「その程度か」と感じるだろうが、人民元の為替レートは当局の監視下に置かれており、なかなか大きくは動かない。それでも「ゆるやかな元高」への誘導は間違いなく、投資先としては悪くないはずなのだか、なぜ人民元投資が盛り上がらないのか。

FX人民元投資の足をひっぱるスワップ金利

 その原因はスワップ金利だろう。昨年後半から取引所取引「くりっく365」やサクソ系(サクソバンクFX証券、kakakuFX)で人民元の取扱が始まっているが、両者のスワップをまとめたのが下記の表。くりっく365は人民元/円の通貨ペアだが、サクソ系では米ドル/人民元の通貨ペアとなっている。

乱高下する人民元のスワップ

 いずれも今年に入ってから直近までのスワップだが、まず一見してわかるのがスワップの不安定さ。支払いだったり、受取だったりと安定しないこと。スワップ金利は本来、金利差によって生じるので、低金利な円や米ドルを売って高金利な人民元を買えばスワップは受取になるはずだが、人民元市場が完全に自由化されていないため、スワップ金利が不安定になっている。これを見ると、人民元買いに二の足を踏みたくなる。

サクソ系での人民元買いならスワップがプラスに

 だが、1月から直近までのスワップを合計してみると、くりっく365では10万人民元の買いで合計7813円の支払いになるのに対して、サクソ系では1万ドル分の人民元買いで507円の受取になる。とはいえ、1万ドルで507円だから月間利回りにすると0.1%未満。レバレッジをかけたとしても、満足できる水準にはほど遠いだろう。

 とはいえ、将来的な通貨高に期待しての人民元投資は非常に有望な選択肢であることは間違いない。くりっく365での取引高を見ても昨年は一日100枚程度だったのが、今月の元高を受けて1000枚、2000枚と取引が増えてもいる。ただし、中長期的に投資するときはスワップ金利のことをくれぐれもお忘れなく。

プロフィル
高城泰(たかぎ・やすし)
 早稲田大学政治経済学部卒業。編集プロダクション「ミドルマン」所属。「週刊SPA!」や「ダイヤモンドZAi」など雑誌や書籍を中心に活動するマネーライター。「超カンタン一点突破FX」(扶桑社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作ったiPhoneでFX入門!」(ダイヤモンド社)などFX書籍のプロデュースを多数手がけている。

2012年2月15日  読売新聞)
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