平成24年度から介護保険はこう変わる![]() ファイナンシャル・プランナー 山田 静江 平成24年度介護報酬改定の概要が発表されました。高齢化が急速に進む日本では、今後、高齢者の介護問題はますます深刻になっていくはずですが、それをどうやって支えていくかという方向性が示されたものです。今回の改定の基本的な視点は、次の3つです。 介護保険制度がパンクしないように、「施設から在宅へ」の基本路線をさらに進めること、縮小・廃止が検討されている療養病床の受け皿の整備、増え続ける認知症対策に重点を置いた改定になっているといえるでしょう。主な改正点を見てみましょう。 24時間対応の「定期巡回・随時対応訪問介護看護」今回の改定の目玉のひとつが、「定期巡回・随時対応訪問介護看護」です。このサービスは、1日に何度かの定期訪問と、呼び出しやそのときの必要に応じた訪問(随時訪問)を組み合わせたものです。これまでの訪問介護は1回の訪問ごとに○○円という報酬体系でしたが、このサービスは、要介護度によって1か月単位で報酬が決まります。地域の高齢者を訪問回数や滞在時間に縛られずに見守ることができるサービスと期待されています。とはいえ、誰もが何度も繰り返し呼び出せば、制度が維持できなくなります。利用者側も、節度ある利用が求められます。 訪問介護の時間区分の変更現在、訪問介護の身体介護は(1)30分未満、(2)30分以上60分未満、(3)60分以上の3区分でしたが、短時間で複数回の利用を想定し、新たに20分未満の区分が設定されました。また生活援助についても、最低単位は「30分以上60分未満」から、「20分以上45分未満」となりました。 訪問系サービスの変更で注目されるのは、利用者の住居と同一建物にある事業所の報酬は10%削減されることになったことです。介護事業所を併設した住宅型の有料老人ホームや高齢者向け住宅などで現在と同じサービスを提供していては、介護事業所の事業は収入減となってしまいます。併設型の事業所でも外部向けサービスを増やすことが求められるようです。 介護保険の療養病床廃止対策法律の改正により、介護福祉士および研修を受けた介護職員等は、たんの吸引等を行うことが認められるようになりました。医療関係者との連携などの要件はあるものの、医療従事者や家族以外のたん吸引等が可能となったことで、医療行為が必要な重度の要介護者を療養病床以外の場所(自宅や高齢者向け施設・住宅)で受け入れる体制を整えることができるようになります。 これを踏まえ、重度の要介護者の受け入れを評価する「日常生活継続支援加算」に関して、たん吸引などを必要とする利用者が15%以上という条件も加えられました。これまで行き場を見つけにくかった方々の受け入れ先が広がることが期待されます。 さらに、看護と介護の連携を促すための加算の新設、病院以外での看取りを促すためターミナルケア加算の条件緩和などが行われます。 通所介護の延長加算と緊急時のショートステイ加算で自宅介護を支援 通所介護(デイサービス)の時間割りの見直しに加え、最長で12時間までの延長加算が認められるようになります。仕事や外出で長時間介護に関われない場合に対応できるなど、家族介護者への支援が強化されます。 このほかにも、介護の質を高めるための介護職員の処遇改善への加算の新設、物価や人件費などの実態に近い報酬となるよう介護報酬の地域区分の見直し(現在の5区分から7区分へ)などが行われます。 以前にも書きましたが、介護保険は皆さんが住んでいる自治体ごとの制度です。今回の改定については、自治体の広報誌などで解説があるはずですので、必ず確認しておきましょう。
(2012年2月16日 読売新聞)
|
今週のPICK UPPR
ツール
|
| ▲この画面の上へ |
|
会社案内|
サイトポリシー|
個人情報|
著作権|
リンクポリシー|
お問い合わせ| YOMIURI ONLINE広告ガイド| 新聞広告ガイド| 気流・時事川柳(東京本社版)への投稿| 見出し、記事、写真の無断転載を禁じます Copyright © The Yomiuri Shimbun. |