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国民年金学生の後払い特例制度

卒業後の負担 説明不足 追納には金利が加算、遅れるほど額かさむ

 大学生でも20歳になれば、国民年金に加入する義務がある。ただし、事前に手続きをしておけば、保険料を就職してから後払いできる。この「学生納付特例制度」ができて5年目。使い勝手には、まだ改善の余地がありそうだ。(内田 健司)

証言

 保険料後払いの特例制度を利用し、3月に東京都内の大学を卒業したA子さん(24)は、今も求職中。4月以降の国民年金保険料は払うつもりだが、在学中の保険料を後払いするかどうかは「国の年金は何となく先行きが不安だし、まだ迷っています」。

手続き毎年

国民年金の特例制度を利用しようと、臨時の窓口を訪れた学生たちの写真
国民年金の特例制度を利用しようと、臨時の窓口を訪れた学生たち(豊橋技術科学大学で)=谷之口昭撮影
 豊橋技術科学大学(愛知県豊橋市)で4月下旬、キャンパス内の建物の一角に、特例制度の申請を受け付ける臨時の出張窓口が設けられた。

 年金手帳や学生証を手に集まった学生に対応したのは、市役所の国保年金課と豊橋社会保険事務所の職員。「アルバイトをしていても大丈夫ですか」などの質問に一つひとつ答え、2日間で、外国人留学生89人を含む468人の申請を受け付けた。

 窓口に来た大学院修士課程1年の藤咲克弥さん(22)は「以前、茨城県内に住んで大学に通っていたころは、市役所に行って手続きをしていた。便利でありがたい」と話す。

 特例制度では、本人の前年所得が68万円以下の場合、在学中は国民年金保険料(現行は月額1万3300円)を払わなくて済む。その期間は、公的年金の受給資格を得るために必要な25年の加入期間に算入される。保険料は10年以内であれば追納できる。

 ただし、住民票のある市区町村の窓口で、1年ごとに手続きをする必要がある。このため、豊橋技術科学大の臨時窓口でも、対象者は大学の寮や市内に住む学生に限られた。

4年分66万円

 後払いの仕組みが、卒業後の重荷になることもある。

 東京都内の大学院生(25歳、男性)は、制度を利用した約4年分の保険料が、金利も含めて約66万円にのぼることを知って驚いた。制度を利用してから2年を超えると、保険料に年4%の金利が付く。例えば特例制度が始まった2000年度分をいま支払うと、月1万3300円だった保険料が金利を合わせて1万4390円に増えている。

 厚生労働省は来年度以降、新たに加算する金利を10年物国債に連動させる方針で、金利は年1%台に下がる見通し。だが、それでも追納が遅れるほど負担は重くなっていく。しかも、こうした追納の仕組みについて、学生への説明も十分ではない。

 老後の国民年金(基礎年金)は、公的年金に通算40年加入した場合、満額の年約79万円(今年度)を受け取れる。後払いしないと、保険料1年分について年金が年約2万円減る計算だ。後払いすべきかどうか、悩む人が少なくない。

「無年金」生む制度 見直し必要

 特例制度には、学生が無年金障害者になるのを防ぐという大きな役割がある。保険料未納の状態を続けて障害を負うと、障害基礎年金(1級年約99万円、2級年約79万円)を受け取れなくなるが、特例を利用すれば、納めていたのと同様に扱われるからだ。

 制度の利用者は、全国に154万人(2002年度末)で、年々増えている。ただ、学生がこの制度を使わないと無年金になる恐れがある現在の制度は、早急に見直しが必要だろう。

 また、そもそも後で保険料を納めないと将来の年金が減る仕組みを学生に課すことは、酷な面があるのも確かだ。

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2004年5月17日  読売新聞)
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