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一葉の新5千円札やっと完成

新紙幣3種 11月めど発行 財務省

 谷垣財務相は17日、東京・北区の国立印刷局滝野川工場で記者会見し、完成が遅れていた明治の女流作家、樋口一葉の新5千円札=写真=を公表した。8月から印刷を始め、野口英世の新千円札、福沢諭吉の新1万円札(デザインは変更)とともに11月をめどに発行(流通開始)する。

樋口一葉の新5千円札
 財務省は11月までに新5千円札を1億枚以上印刷し、今年度末には3種類あわせて、流通枚数の約6割にあたる62億3000万枚の印刷を終える予定だ。新紙幣の「顔」がようやく出そろったことで、自動販売機や現金自動預け払い機(ATM)などの新紙幣への対応作業も本格化する。

 公表された新5千円札は、2002年に発表された見本と比べると、全体の色調が明るくなり、一葉のまゆ毛や目がやや細くなった。

 一葉の肖像は生前の写真をもとに、樋口家からも意見を聞きながら作製された。しかし、一葉が24歳で病死し、しわなどの特徴が少ないことから作業が難航。財務省は昨年暮れ、当初予定していた今年7月の発行を延期していた。

 新紙幣は、角度を変えると色や模様が変わる「ホログラム」や、傾けると文字や数字が現れる「潜像模様」など、6種類の新たな偽造防止技術が施されている。しかし「人の顔は小さな違いに気づきやすく、肖像にはハイテク技術以上の偽造防止効果がある」(財務省幹部)という。

 このため谷垣財務相自らが何度もチェックし、肖像に特徴をつける手直しを重ねた。一方で新紙幣を一気に行き渡らせるには暮れのボーナス、歳末商戦開始前の発行が必要で、肖像作製は時間との戦いだった。

 一葉は現在の5千円札の肖像でも最後まで有力候補に残ったが、当時も「描きにくいことなどがネックになって」(関係者)、新渡戸稲造に敗れた経緯がある。新5千円札は世界最先端のハイテク技術とともに、20年前に断念した一葉がうまく描けるか、日本の紙幣印刷技術の進歩を試す意味もあった。

 新紙幣のデザイン発表から発行までの期間は約2年3か月で、1984年11月に発行された現在の紙幣(3年4か月)より1年以上短くなる。

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2004年6月18日  読売新聞)
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