株活況 「主役」は一変
1万5000円台
製造業に人気シフト 買い手の中心、海外勢に
1日の東京株式市場は、日経平均株価(225種)の終値が景気回復を背景に約5年ぶりに1万5000円台を回復した一方、欧米の外国為替市場では、1ドル=120円まで円安・ドル高が進んだ。株価回復は、日本経済の“復活”を強く印象づける反面、円安進行で、日本の輸出攻勢がさらに強まることに対しては、米産業界からの反発も懸念される。
東京株式市場では、日経平均が約5年ぶりに1万5000円台を回復したことについて、株価上昇のペースが速過ぎるとして、売買の過熱感を指摘する意見がある一方、やはり株価が大幅に上昇したバブル期と異なり、企業収益の回復など実体経済の強さに裏打ちされた本物の上昇と見る向きもある。こうした中で、バブル期とは、時価総額が大きい銘柄や、買い手の主役となる投資家が大きく変わり、この16年間の経済環境の変化をうかがわせる。
1日の東証1部の時価総額は492兆円と、年初の約1・4倍まで拡大し、日経平均がバブル後最安値を記録した2003年4月の2倍を超える水準まで回復した。日経平均が戦後最高値をつけた1989年末の591兆円の83%まで回復したことになる。
バブル期に比べ、市場の中心を占める企業の顔ぶれは大きく変わった。1989年末の時価総額ランキングでは、上位5位までを大手銀行が独占していたが、現在は、1位のトヨタ自動車をはじめ、ホンダ、キヤノン、松下電器産業などの製造業が上位に並ぶ(11月30日現在)。
買い手も、主役が交代した。バブル期は、国内企業や金融機関など機関投資家が株式に積極的に投資した。1989年12月の国内市場に占める売買総額の比率は、56・1%と、市場全体の過半を占めていた。
しかし、バブル崩壊後の株価急落で、巨額の含み損を抱えた経験を教訓に、日本株投資には一定水準で歯止めをかけるようになり、現在では、その比率は10%台まで低下している。
国内機関投資家に代わって台頭したのが、欧米の年金基金など海外勢だ。海外投資家の比率は、バブル時の10%前後から40%台まで急拡大した。
国内の個人投資家も、インターネット取引を中心に株式投資を活発化させており、日経平均を1万5000円台に押し上げる原動力となった。
(2005年12月2日 読売新聞)