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ニセ日本国債 詐欺の小道具 韓国当局調べ

「M資金」かたる 00年宮崎の事件と一致

 【ソウル=中村勇一郎】約1兆円分の日本国債への交換が可能とうたった架空の「還付金残高確認証」が韓国に密輸された事件で、確認証の特徴が、1984年以降、日本や海外で摘発された大型詐欺事件の“小道具”として使われたものと一致していることが、韓国税関当局の調べでわかった。一連の事件は、いわゆる「M資金話」を利用して巨額の融資を引き出そうとする手口で、2000年に宮崎県で摘発されたのを最後に途絶えていたが、再び同じ確認証が出回ったことで、財務省など関係当局は警戒を強めている。

額面総額約1兆円の「還付金残高確認証」(韓国関税庁提供)
 韓国税関当局によると、先月14日、在米韓国人の男(62)が、額面総額約1兆円分の架空の還付金残高確認証を、フィリピンからソウルに航空貨物便で密輸したとして、関税法違反容疑で逮捕された。

 日本側の協力を得て確認証を調べた結果、〈1〉発行日として記載された「昭和58年4月30日」の日付〈2〉「日本国債と同額で引き換え可能」などとされた記載事項〈3〉偽造された大蔵大臣(当時)印や花の模様が入ったデザイン――といった特徴が、M資金話で巨額の融資金をだまし取ったとして、日本の警視庁が1984年に逮捕した女詐欺師らのグループが使っていたものと同一と判明した。

 当時、このグループが作った確認証は、国内や海外に大量流出。バブル期の80年代後半〜90年代前半、同様の手口で融資金などをだまし取る事件が東京や韓国、米国、マレーシアなどで摘発された際、被害者を信用させるために使われた。00年に宮崎県警が摘発した事件では、84年に逮捕されたグループの関係者が保管していたものが利用されていた。

 今回の確認証の入手ルートについて、在米韓国人の男は「知人に紹介された『イデノ』という日本人にソウルで会い、受け取りを約束した」と供述。「イデノ」からは「韓国や米国政府に相談すれば換金できる」と持ちかけられたという。

 男は、確認証で韓国の金融機関から融資を受けるつもりで、さらに7000億円分の確認証が届く予定になっていたほか、「イデノ」の仲間とみられる「マルヤマ」を名乗る日本人からは、多額の台湾債券の購入も打診されたという。韓国税関当局では、過去に摘発された人物らが関与した国際的な詐欺グループが存在するとみている。

 大蔵省(当時)は00年10月、「確認証を発行したことはなく、法律上も存在しない」と注意を呼びかけていた。財務省理財局は「架空の確認証は様々なところに出回っており、再び悪用された可能性が高い」としている。

M資金
 「M」は連合国軍総司令部(GHQ)の、マーカット少将の頭文字から付けられたとされる。旧日本軍から接収し、同少将が管理した秘密資金というふれ込みだが、実在しない架空の話。過去に摘発された詐欺事件は、この話を利用して、資金繰りに苦しむ経営者を標的に無担保、超低利子の融資を持ちかけ、手数料などをだまし取る手口がほとんどだった。

2006年7月21日  読売新聞)
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