貸金業規制法改正案 借り手保護 徹底狙う
刑事罰強化も 監督体制の整備課題
■業務改善命令 これまでも悪質な取り立て行為などに業務停止命令を出すことはできたが、いったん業務停止を下せば貸金業者の経営に大きな打撃を与える。それだけに金融庁も命令発動には慎重にならざるを得ず、きめ細かい顧客保護を図るうえでの障害になっていた。 このため、業務停止命令には至らない問題行為に対しては業務改善命令を通じて監視の目を光らせる方針だ。具体的には、借り手に契約内容を事前に説明する書面交付など貸金業者に今後、義務付けられる様々な借り手保護規定に違反した場合などが対象となる。 金融庁案では、顧客に対する貸金業者の説明義務も格段に増える。顧客の中には利息の支払額が膨らんでいることに気付かないケースも多いため、事前説明書の中で「トータルの元利負担額」の記載を求め、顧客への注意喚起を図る。 このほかにも、事業報告書の提出や借り手の返済能力調査などを新たに義務付け、違反した場合は行政処分の対象とする。 また、過剰融資を防ぐには、借り手がどの業者からいくら借りているかを、それぞれの業者が把握する必要がある。このため、金融庁が指定する信用情報機関への加入も義務付ける。
■淘汰される業者 こうした事態を防ぐために、金融庁案は無登録業者への刑事罰を現行の最高で懲役5年を懲役10年に引き上げるなど罰則面の強化も検討している。 規制強化によって貸金業者の淘汰(とうた)が進むのは避けられないと見られる。ただ、貸金業界は上位27社で貸出金の約9割を占める市場構造となっており、業者数が大幅に落ち込んでも、なお多くの中小・零細業者が残ると予想される。金融庁が業務改善命令など新たな行政手法を手にしたとしても、こうした業者の行為に隅々まで目を光らせることが出来るのか、監督体制の整備も課題となりそうだ。 (2006年9月6日 読売新聞)
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