ブルドックが買収防衛策
スティールTOB 新株予約権で対抗 法廷闘争に発展も
■対抗策
ブルドックの池田章子社長は7日の記者会見で「(スティールが)当社の経営について方針を明らかにしないことは、真摯(しんし)に当社の経営権の取得を目指すものと言えるのか疑わしい」と述べ、対抗策を打ち出した理由を厳しい口調で説明した。 ブルドックはTOB反対の理由として〈1〉スティールはブルドックの企業価値を高める経営を行う能力を持たず、企業価値や株主の利益を損ねる〈2〉TOB価格1584円は低く、情報開示も不適切――などとしている。 ブルドックの買収防衛策は、スティールを含む全株主に対して新株予約権を1株につき3個割り当てる。スティールとその関連会社などを「非適格者」として、予約権を行使できないと定める。スティールの予約権はブルドックが1個396円で買い取る。 防衛策の特徴は、新株予約権を発行する枠組みと発動の是非を株主総会の特別決議で承認を得る仕組みとしたことだ。
■高いハードル しかし、特別決議は総議決権数の過半数の株主が出席し、そのうちの3分の2以上の賛成を必要とするなど高いハードルとなる。池田社長は「多くの株主の判断を仰ぎたい」と述べ、防衛策が経営陣の自己保身につながるとの見方を排除する狙いをにじませた。 買収防衛策としての新株予約権の発行を巡っては、ライブドアとフジテレビジョンによるニッポン放送の買収合戦の例などがある。 ニッポン放送はフジテレビに対し新株予約権を発行することを取締役会で決議したが、東京地裁はライブドアの仮処分申請に基づき、発行差し止めの仮処分命令を出した。「フジテレビの経営権確保が主な目的で、株主一般の利益を害する不公正発行に当たる」と判断されたためだ。 ブルドックは、こうしたリスクを踏まえ、防衛策に法的問題はないとの見解を強調した。
■株主総会 ブルドックの株主構成を見ると、発行済み株式の10・52%を保有するスティール以外では、生命保険会社や銀行、親密な取引先が上位を占める。33・05%を占める個人株主の支持を得ることもカギとなる。
■次の一手 新株予約権が発行された場合、スティールが現在の持ち株比率のままで推移するとすれば、持ち株比率は10・52%から3%弱にまで引き下げられる計算になる。このため、スティールは、新株予約権の発行差し止めを求める仮処分申請を行う可能性もある。 M&A(企業の合併・買収)に詳しい牛島信弁護士は「株主の3分の2以上の賛同が得られるなら、たとえ司法判断を仰いだとしても対抗策として認められるだろう。ただ、スティールにも買い付け価格を引き上げたり、再度TOBを仕掛けたりする対抗策が考えられる」と指摘する。敵対的買収に対する日本型防衛策が有効かどうか注目されるケースになりそうだ。
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(2007年6月8日 読売新聞)
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