魅力作りファンつかめ地方競馬支援法改正へ政府が地方競馬の支援に向け、競馬法改正案を開会中の通常国会に提出するのは、来場客数や売上金の減少が止まらないからだ。(秋田穣) 成立すれば、売上金に占める払戻率を主催者が柔軟に決められるようになる。ただ、「当たり馬券」への払い戻しが減れば、ファン離れを招く恐れもある。 「払戻率」運用 難しさ公営ギャンブルである競馬は、競馬法で開催回数や入場料などを細かく定めている。改正案は、約75%と定められている当たり馬券に対する払戻率を、おおむね70〜80%の範囲内で、主催者が自由に決められるようにすることが柱だ。 例えば、100万円の売り上げがある場合、現状は75万円程度を「当たり馬券」に払い戻しているが、改正案が成立すれば、70万〜80万円の範囲内で、各主催者が独自に決める。 経営難に苦しむ地方競馬の多くは、払戻率を下げる可能性が高い。売上高を維持できれば利益率が高まるため、経営改善につながる。ただ、払戻率が下がればファンの足が遠のき、さらに苦しくなる可能性もある。 地方競馬は、各地の主催者同士のつながりも薄く、馬券システムなども独自で運用するなど、経営手法もバラバラだった。農林水産省が2004年に地方競馬改革の支援に乗り出し、馬券販売などの共同システムを導入したほか、ナイター照明の整備や競走馬の交流などに努めてきた。しかし、売上高の減少に歯止めはかかっていない。 競馬は、地域の貴重な雇用の場であるだけでなく、関連産業のすそ野が広い。廃止されると、競馬場周辺の商店街や、北海道を中心とする馬産地など、地域経済へのダメージが大きい。 魅力あるサービスで経営を立て直した浦和競馬(さいたま市)は、人気馬同士のレース開催などで、一時は25億円まで膨らんだ累積赤字を8年間で一掃した。法案が成立しても、主催者は、安易に払戻率を下げるのではなく、知恵を絞った運営でファンサービスの向上に努めることが求められる。 (2012年2月23日 読売新聞)
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