発電するほど赤字、火力頼みの電力会社苦境電力会社の経営環境が厳しさを増している。 原子力発電所が通常通り動くことを前提にした料金制度が実態と合わずに、発電するほど赤字が膨らむ構図だ。東京電力福島第一原発の「冷温停止状態」宣言を受け、電力会社の間では、政府に対し再稼働問題と料金制度見直しにも力を振り向けるよう求める声が高まりそうだ。 ◆赤字決算 電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は16日の記者会見で、電力会社の苦しさを訴えた。「火力発電をフル稼働しており、燃料費は増え続けている」 原発を持たない沖縄電力を除く電力9社は、2011年9月中間決算で軒並み赤字決算や大幅減益に見舞われた。発電コストの低い原発の稼働率が落ちているためだ。 中でも関電は、発電量に占める原発の割合が5割と9社中最も高く、燃料費などの費用は4月からの半年間で前年同期と比べ1300億円増えた。 膨らむ経費を賄うために社債を発行しようにも、震災後、電力各社の信用力は低迷し、高い金利を付けなければ買い手がつかないために事実上発行できない状態が続いている。 電力会社は震災前、日本国債並みの低金利で社債を発行して返済期間の長い資金を調達し、何十年という単位で発電設備の建設などを進めてきた。「原発の再稼働が進めば、社債の発行環境は改善する」(八木会長)との期待もあるが、政府内の議論は進んでいない。長期安定した資金繰りを前提にした事業モデルが崩れつつある。 (2011年12月18日16時23分 読売新聞)
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