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節電と温暖化対策兼ねる「薪ストーブ」に脚光

大震災を受けて注文が増えている薪ストーブ(山形市桧町の「ファイヤーライフ山形」で)

 東日本大震災での停電の経験や、福島第一原発事故による節電意識の高まりを受け、山形県内で(まき)ストーブの需要が急増している。

 山形市が独自に実施している購入補助には申請が殺到し、既に今年度の受付を終了。販売店でも昨年は、前年の約2倍の注文が舞い込んだという。

 薪ストーブは、燃焼に伴って二酸化炭素が発生するが、燃料となる樹木が成長過程で逆に二酸化炭素を多く吸収しているため、地球温暖化対策に役立つ暖房として注目が集まっている。

 山形市では2007年度からペレットストーブの購入補助制度を設けているが、10年度からは薪ストーブも追加。10万円を上限に本体の購入費用や取り付け経費の3分の1を補助している。

 例年は、夏頃から徐々に補助申請が増えるが、今年度は春先から殺到。昨年7月までに薪ストーブの補助に24件の申請があり、予定件数に達したため、急きょ受け付けを打ち切った。現在でも「補助制度を継続するか」などの問い合わせが相次いでおり、担当する市森林整備課では「新年度も予算を確保したい」とする。

 同課によると、震災で停電になった際、ファンヒーターなど電源が必要な暖房器具が機能しなかったため、手作業で着火できる薪ストーブの人気が上昇。原発事故を受けた節電意識の広がりも後押ししているという。

 県内では、真室川町と最上町でも購入補助制度があり、いずれも好評という。

 山形市桧町の薪ストーブ専門店「ファイヤーライフ山形」では昨年1年間で、前年の約2倍の55台を販売。特に、震災後の4月以降に注文が急増したという。

 同店の長岡一美・薪ストーブアドバイザーは、「薪燃料は電気、灯油に次ぐライフラインの分散化を目的に選ぶ人が多い」と話す。

 薪ストーブを購入した鶴岡市三瀬の男性(68)は「震災を受け、家庭でできる節電を考えた」と話す。設置費用は約80万円に上ったが、「山で薪を集めれば燃料代を浮かせられる」と話す。

 薪ストーブ販売店では燃料の薪も販売しているが、店から遠い郊外では、薪の確保が課題となっている。

 そこで高畠町では今年度から、「薪ストーブ友の会」の運営を始めた。木材の提供者から連絡を受けた町が、登録会員に情報をメールで送信する仕組みで、提供者は木材の処理費用がかからず、会員も無料で燃料を確保できるメリットがある。これまで31件の情報が寄せられるなど好評という。

2012年1月15日12時57分  読売新聞)

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