築20年の賃貸物件、売った方がよい?家賃15万円の物件を所有しています。家賃収入を生活費としていますが、滞納が多いため困っています。収益物件として売却を考えるか、このまま我慢するか迷っています。今年初めの査定金額が居住者なしで2300万円。収益物件として1900万を希望しています。折りよく賃借人が購入を申し出てきましたが、希望金額が1500万ぐらいと折り合いません。もう20年契約しています。どうすれば良いですか?(T.T 60 大阪府) 売る場合の諸費用も考慮に、家賃の活用も考えて
物件を収益物件として評価すると、家賃年額180万円の収入を、投資利回り10%で割れば1800万円となります。ただし、滞納が多いということなので、その点を考慮して投資利回り12%で割り、1500万円が得られる計算としましょう。投資家は、まず収入の安定性を重視しますので、1500万円程度というのは、通常の相場に近い金額に思えます。 また、契約してから20年ということは、新築してから20年以上経過しているということであり、近々、大規模な修繕が必要になることも予測されます。 投資家は、そのようなこれから支出すべき費用も計算に入れます。つまり、1500万円から少なくとも修繕費を控除した金額が、投資家が提示する購入希望価格となります。それを考えれば、1500万円というのは、賃借人だからこそ提示できる上限の価格と思えます。 また、居住者なしで2300万円の査定ということですね。入居者が黙って出て行ってくれる場合には、そのような金額での売買も可能でしょうが、賃借人を強制的に出てゆかせる場合には立ち退き料が必要であり、訴訟費用も考えれば1500万円程度の金額に近づくのではないでしょうか。専門家に相談して計算してはどうでしょうか。 T.Tさんが上記のような金額で売買したくないのであれば、次の方法が考えられます。 売買以外に、次のような方法があるでしょう。 1.少々の滞納は我慢して、しかし、未納や延滞できないような人間関係を保ちながら、収入を確実にするように持ってゆく(自助努力)。 2.サブリースする不動産業者を探し、手取りは減っても、サブリースする不動産業者から確実に収入が得られる方策(契約方法)をとる など、これらの方法も検討してみてはいかがでしょうか。 賃貸事業は難しいものです。 仮に家賃収入を生活費以外に回せるのであれば、それをどのように運用するのかという視点も重要です。たとえば、家賃収入を元手に、借り入れをして安い物件を購入。その返済をしながら、合算ではより大きな賃貸収入を得る等の方法もあるのではないでしょうか。 資産運用の最大の見方はお金に関する知恵です。身近なFPの力を活用されるのも良いように思います。(鈴木禎夫・ファイナンシャルプランナー、不動産鑑定士) (2010年7月30日 読売新聞)
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