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激震 メガバンク (下)他行も戦略見直し必至4大証券時代の再来か――。三菱東京フィナンシャル・グループ(FG)とUFJホールディングス(HD)の電撃統合が明らかになった14日、証券会社がひしめく東京・兜町に、こんな憶測があっという間に広がった。 三菱東京FGは、グループ内に業界4位の三菱証券を、UFJHDは同6位のUFJつばさ証券を、それぞれ抱える。両社が統合すれば預かり資産は18兆3000億円となり、3位の日興コーディアル証券(29兆6000億円)を追撃する態勢が整う。 規制緩和で銀行と証券の垣根が低くなり、証券会社は銀行の重要な戦略部門になりつつある。三菱東京FGは、三菱信託銀行も含めた全国約300店舗での証券仲介業展開を目指す。そのため、三菱証券から営業社員を大量に銀行に出向させる方針だが、三菱証券の人員不足がネックになっていた。UFJつばさと三菱証券が統合すれば、問題は一気に解消する。 両証券とも今のところ、「合併などを検討している事実はない」としているが、業界内では、「三菱証券がUFJつばさを吸収合併するなどの統合へ進むのが、自然な流れ」(証券関係者)との見方が多い。 証券以外にも、カード会社、消費者金融会社、投資顧問会社など、両グループ傘下企業の統合メリットが期待できる分野は多い。
カード分野では、UFJHDは、グループ内にUFJカードと日本信販を持ち、両社を2005年4月に合併させ「UFJニコス」に再編することを決めている。一方、三菱東京FGもディーシーカードを抱える。 カード事業は、合併や提携により発行事務や請求などの業務を共同化すれば、大きな経費削減効果が期待できるだけに、UFJニコスとディーシーカードの統合は、両グループにとって魅力的と言える。さらに、UFJの親密企業であるカード最大手のジェーシービー(JCB)が再編に加われば、業界で圧倒的シェアを奪える。 生命保険や、損害保険の分野でも、両グループの系列会社の動きに、ライバル他社は警戒を強めている。 UBS証券の白川浩道チーフ・エコノミストは「『銀行の論理』によるグループ内金融機関の再編は避けられない。その結果、業界内に巨大勢力が生まれれば、新たな業界再編につながる可能性もある」と指摘。他のメガバンクなどが、証券などの各分野で戦略の練り直しを迫られるとの見方だ。 三井住友フィナンシャルグループは、大和証券グループ本社と法人営業で提携しているが、個人向け営業の戦略は描き切れていない。今後、大和証券グループ本社と三井住友傘下のSMBCフレンド証券を含めた証券会社の再構築が課題になるとの見方も出ている。 グループ内に三つの準大手クラスの証券会社を抱えるみずほフィナンシャルグループも、改めて証券業務再編に動く可能性がある。 UFJHD傘下のUFJ信託銀行と統合を計画した住友信託銀行は、UFJ信託との合併が白紙撤回され、メガ信託構想が危機に瀕(ひん)している。これまでは同じグループ内でも距離を置いてきた三井住友銀行と一気に歩み寄るとの観測も浮上している。 三菱東京、UFJの統合による世界最大の金融グループの誕生は、両グループ傘下の企業にとどまらず、他の大手金融グループにも、波紋を広げようとしている。メガ再編の余震は、しばらく続きそうだ。 (2004年7月20日 読売新聞)
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