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材料開発でトップ企業に

大同特殊鋼 小沢 正俊(おざわ まさとし)氏 61

小沢正俊氏の写真

 次期社長を言い渡されたのは2月。当時は原材料の鉄スクラップの価格が、中国の需要増でトン当たり2万1000円台と高騰していた。

 1000円の違いで年間収益は12億円も減る。取引先との値上げ交渉も簡単ではない。「こんな時に社長就任とは大変なことになった」と思ったが、その後、材料価格は急速に沈静化し、私にとっては神風が吹いた感じだ。

 とはいえ、中国は2010年ごろまで需要の強い状況が間違いなく続く。国際競争力を強化するためには、一段と社内改革を進めなければいけない。

 まず材料開発で世界トップの企業になり、不可能を可能にする軍団にする。例えば、自動車向け特殊鋼であれば、軽量コンパクト化を図る。日本の車づくりに貢献して、会社の存在感を示す。

 また、中核事業の特殊鋼以外に、DVD(デジタル多用途ディスク)用やチタンなどの高機能材料の売り上げを伸ばし、バランスの取れた企業を目指す。

 原材料の高騰を予測できなかった反省から、6月には上海に情報収集を担当する事務所を置いた。アンテナの精度を上げ、時代を先読みしていきたい。(聞き手 野矢 充)


◆1日1句…今年は9句だけ

  90年から2年半、米国の特殊鋼メーカーに出向し、財務の仕事にもかかわった。「技術屋の私が社長を引き受ける気になったのは、その経験がベースにある」という。
  俳句は1日1句が目標だが、今年は9句しか作っていない。デジタルカメラで旅先の風景を撮ったり、鉄道模型、ゴルフと多趣味だが、「すべて二流。1つぐらい一流の技を磨きたい」

(2004年8月4日  読売新聞)