番外編(上)安心の遺言へ証書作成2〜3月に連載した「60代からのマネー術」には、多くの手紙や電話が寄せられた。特に、相続や年金に関しては「さらに詳しい情報を」との声が届いた。 関心の高いこの分野を、2回に分けて取り上げる。1回目は、自分らしい相続をするための遺言について。 遺言書は、生前に自分の財産を、誰にどれだけ分けるかなどを、あらかじめ文書で残すものだ。相続コーディネーターの曽根恵子さんは「遺言書は黙って作ると、後で見た遺族が驚いたり、最初に見つけた人が疑われたりすることがある」と注意を促す。 疑心暗鬼を招かないためにも、作成したことやその内容をあらかじめ関係する人に伝えておけば、亡くなった後でも異論は出にくくなる。 作成方法は、主に自筆証書遺言と公正証書遺言に分けられる。自筆証書遺言は、紙とペンがあればどこでも作ることができ、費用はかからない。手書きのみで、パソコンでの作成は不可。秘密が守られる手軽な方法だが、表現や書式には注意が必要だ。例えば「介護してくれた人に多く与える」という内容では、誰にいくら分けるのかあいまいだ。 また訂正などの書き方も決められ、不備があると無効になる恐れがある。行政書士などの専門家に相談するか、書き方を解説した本を参考にしたい。曽根さんは「遺言書が見つからないと、遺志を生かせない。保管にも配慮して」と話す。 一方、公正証書遺言は、法務大臣が任命した公証人に依頼して作る。原本は公証役場で、本人が120歳になるまで保管される。正本と謄本は本人などが保管し、遺言の実行などに使われる。役場に出向いて作成するのが原則で、証人2人が必要。手数料は財産の額で異なる。 曽根さんは「事故や災害に遭ったり、本人が認知症になったりして作れなくなることもある。元気なうちに早めに作っておきたい」とアドバイスしている。
(2011年5月26日 読売新聞)
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