09春闘 労使インタビュー世界経済が深刻化するなかで行われる2009年春闘は、例年以上に厳しい労使の対立が予想される。今月から始まる本格交渉を前に、日本経団連副会長の大橋洋治・経営労働政策委員長(全日本空輸会長)と、連合の団野久茂・副事務局長に春闘に臨む姿勢を聞いた。(聞き手 二階堂祥生、本田克樹) 「ワークシェア」検討必要大橋洋治・経団連経営労働政策委員長景気は日を追って悪くなっており、ベースアップ(ベア)はかなり厳しい。 物価が上昇しているというが、燃料や食料品の価格が高騰したためで、企業もそのあおりを受けており、賃上げは容認できない。(個人消費の拡大による)内需拡大は大切だが、消費を増やすためにまずやるべきは、安心してお金を使えるよう社会的なセーフティーネット(安全網)をはることだ。 今年は雇用の問題について、いろいろ工夫をしていかなければいけない。企業としては、職業訓練の充実や職場の転換などが考えられる。(一つの仕事を複数の労働者で分け合う)ワークシェアリングの導入は、年功序列的な給与体系のもとでは難しいが、検討することは必要だ。 連合は、企業が蓄えている内部留保を取り崩せと主張するが、内部留保は将来に備えるためにある。企業の最大の責任は新規雇用の創出で、そのためには高付加価値の製品を作ったり、新サービスを生み出したりする必要がある。 賃金、雇用両方求める団野久茂・連合副事務局長日本経済は瀬戸際にある。賃金引き上げで個人消費を刺激し、内需を拡大することで、これ以上の景気悪化を阻止したい。 経営側は「雇用が優先だ」と主張しているが、賃金(引き上げの要求)を自粛したから雇用が守れた例は皆無に等しい。我々は賃金も雇用も両方取りにいく。 収益が厳しいのはわかるが、すぐに雇用に手をつけるのはどうなのか。企業の内部留保を切り崩したり、株主配当や役員報酬を見直したりして、ぎりぎりまで切り詰めてから雇用に手をつけるべきだ。 ワークシェアリングも、雇用維持策の一つだとは思うが、それだけで全体の雇用が守れるかどうか。(非正社員を増やして)雇用調整が安直にできるシステムを作ってしまったのが一番の問題。セーフティーネットの拡充や法整備が必要だ。 交渉は厳しい。しかし、労使間で様々な課題を確認し合うのも春闘の大きな意義だ。お互いの主張を通して、肝心な時に力合わせができる労使関係を作るのが望ましい。 (2009年2月11日 読売新聞)
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