ワークシェア企業に助成政府・与党は雇用対策として、従業員の労働時間短縮で新たに失業者を雇う形態の「ワークシェアリング」(仕事の分かち合い)を実施する企業に財政支援する方針を固めた。この形態は労使双方の慎重意見で導入が進んでいないが、政府は失業者救済に有効な手段だと判断し、財政支援で導入を促すことにした。 具体的には、時短に伴う賃金の引き下げ分を助成する。これにより、企業は新規雇用を行いながら、実質的に人件費抑制につなげることが可能となる。助成金は、解雇防止のために従業員を休業・出向させた企業に休業手当などを助成する「雇用調整助成金」の適用範囲を拡大して確保する案が有力だ。雇用調整助成金は企業が払う雇用保険の保険料で運営され、資金の残高は2007年度決算で約1兆700億円に上る。適用条件緩和は厚生労働省令の改正で対応でき、法改正は不要で、与党は迅速な対応が可能と見ている。 新たな助成制度導入に際し、新規雇用者の賃金を著しく引き下げ、助成額との差額獲得を狙う悪質な企業が出ることを防ぐため、企業に「ワークシェアリング計画」策定を義務づけ、ハローワークで審査するなどの案も浮上している。 与党は「新雇用対策プロジェクトチーム」(座長=川崎二郎・元厚労相)で、政府側と詳細な制度設計を詰める。 ワークシェアリングに関しては、労働組合側に「正社員の賃下げになる」との意見があり、経営側も「労働管理が煩雑になる」などと、二の足を踏む傾向が見られる。 導入企業への財政支援としては、02年度から04年度までの時限措置で、「緊急雇用創出特別奨励金」を設けた例があるが、「半年以内に社員を解雇していない」などと条件が厳しく、3年で4件の適用しかなかった。このため、今回は条件を緩める方向だ。
(2009年2月12日 読売新聞)
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