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1月はインド、ブラジル株式が好調

 1月末付けのデータが出たので、1月の1か月間での追加型投資信託の運用成績を見てみましょう。1月末の純資産が30億円以上あるもので、確定拠出年金やラップ口座などの専用投資信託を除いてランキングしました。

 上昇率のトップは「HSBC インド・インフラ株式オープン」(HSBC投信)で、1か月で26.1%の上昇でした。レバレッジをかけて指数の動きの2倍などの値動きを目指す「ブル・ベア型」の投資信託を抑えて、1か月でのトップを飾りました。


 


インド株型は30銘柄の指数に圧勝

 トップ5の投資信託はすべて1か月で20%をこえて上昇しました。5本のうち3本がインド株式に投資をする投資信託、2本がブル・ベア型(中国株式の日々の値動きの2倍の値動きを目指すものと、金価格の日々の値動きの2倍の値動きを目指すもの)でした。詳細ランキングでは上位25位までを掲載していますが、25本中12本がインド株式に投資をするものでした。

 インド株式市場の値動きを表す代表的な指数であるムンバイSENSEX30指数は、1月は11.2%の上昇でした。この指数はインド最大の証券取引所であるムンバイ証券取引所が算出する指数で、ここに上場されている代表的な30種の企業の株式によって構成されている株価指数です。多くのインド株に投資する投資信託がこの指数を上回る運用成績を挙げており、この期間ではアクティブな銘柄選択効果が奏効したようです。

 インド株式に次いで目を引くのはトルコ株式、ブラジル株式に投資する投資信託です。トルコ株式に投資する投資信託は数が少ないのですが、9位、14位にランク入りしています。ブラジル株式に投資するものは多数ありますが、25本中6本を占めました。こちらも代表的な指数(BOVESPA)は11%程度の上昇なので、ランク入りしている投資信託は指数に勝っています。

下げではレバレッジや為替が影響

 一方、下落率が大きかった15位までも参考として詳細ランキングに掲載しました。ただし、これらの投資信託が「悪い」という単純な話ではありません。1か月の騰落率とは、昨年末と1月末での基準価額価格の差(期間中に支払われた分配金も足しています)が大きかったということを示しているだけです。

 様々な投資対象に投資するすべての投資信託を、いっぺんに比較しているので、価格の下落の理由も様々です。たとえば、インドやブラジルとは逆に、投資先の市場そのものが大きく下落した場合もあれば、投資している通貨の為替が円高に振れて為替差損が大きかったというケースもあります。あるいは実際に銘柄選択で失敗をしたかもしれませんし、よくあるケースではレバレッジをかけたブル・ベア型やヘッジファンドなどで効果が出るはずの動きとは反対に市場が動いた場合などもあるでしょう。

 実際に、詳細のBottom15では上位5位のうち4本が「ブル・ベア型」でした。

基準価額についてのありがちな「誤解」

 今回は月末からあまり日が経っていないので、1月末の基準価額も掲載しました。トップ5だけを見ても、4000円台のものから14000円台のものまで、同じ10000円からスタートしたのに大きな差があります。しかし、これも10000円を越えているのが良くて、4000円台だから悪いと一概に言うことはできません。なぜなら投資信託によってスタートした時点が異なるからです。例えばインド株投資信託を例にすると、インドの株式市場が全般的に高値のときにスタートしたらその後下落して基準価額が低くなり、今上昇しても10000円以下である場合もあり、逆に安値のときにスタートしたら、その後上昇して基準価額が高くなるということもあります。だからこそ、同じ期間の「率」で比べて見るわけです。

 「10000円を越えた投資信託は高いから買えない」あるいは「10000円以下の投資信託は安くて良くなさそうだから買えない」などという声よく聞きます。しかし、本当にそうでしょうか?十分な純資産の規模があって、途中で償還(投資信託の運用を繰り上げて終了してしまう)リスクが無いならば、基準価額が3000円でも3万円でも、基準価額の水準自体は、買うか買わないかの判断の基準にはなりません。

 3000円の投資信託でも3万円の投資信託でも、コストが同じであるなら、同じ額、たとえば100万円投資をした場合に、どちらも20%価格が上昇すれば、収益も同じなのです。異なるのは100万円で購入できる口数で、3000円のものは3万円のものの10倍の口数になるということだけです。

 追加型投資信託は、一般にいつでも売買できることが大きなメリットです。重要なことは、今後中長期で上昇が期待できる投資対象に投資をすることであって、単価が安かろうが高かろうが違いはありません。ただし、投資信託によって、あるいは購入する金融機関によって販売手数料は異なる場合があります。コストは確実にかかる費用ですから、ここはじっくり比較して抑制することも大切なポイントです。

(イボットソン・アソシエイツ・ジャパン(株) 「投資信託事情」編集長 島田知保)

 ◇投資信託の検索は「投信まとなび」

2012年2月2日  読売新聞)

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