1月の資金純増1年継続は50本1月の追加型株式投資信託の資金動向を見ると、設定額から解約額と償還額を差し引いた資金増減額は、マイナス1873億円の資金減少(純流出)でした。追加型株式投資信託は4か月間連続で資金減少になりました。一方、運用増減を見ると、株式の上昇、円高の一服感もあり1兆3195億円のプラスとなりました。その結果、純資産総額は1兆1323億円増加して47兆128億円でした。 1月末時点で、過去12か月間続けて毎月資金純増(設定額から解約額を差し引いた額の方が多い、資金純流入)した投資信託は12月と同じ50本でした。ただし、中身を見ると7本が脱落、7本が新たにランク入りして顔ぶれは入れ替わっています。 (ETFを除く追加型株式投資信託のうち、1月末の純資産が30億円以上のものを対象としています) ![]() ランキング常連のブラジル債券投信が脱落1月に資金流出に転じてしまったのは、12月のランキングで6位「LM・ブラジル国債ファンド(毎月分配型)」(レッグ・メイソン)☆、14位と30位、「野村日本ブランド株投資(豪ドルコース)毎月分配型」「同(トルコリラコース)」(野村アセット)、18位「DWS ブラジル・レアル債券ファンド(毎月分配型))(ドイチェ・アセット)☆、33位「アムンディ・りそな米国ハイ・イールド債券ファンド(豪ドルコース)」(アムンディ)☆、44位「ブラジル国債レアル債・ファンド(毎月決算型)《ブラジル・ドリーム》」(アバディーン)☆、50位「三菱UFJ ライフセレクトファンド(安定成長型)」(三菱UFJ投信)☆でした。☆がついている5本の投資信託はこのランキングの常連で、過去2年以上資金純増が続いたものです。そのうち3本はブラジル債券に投資をするタイプの投資信託でした。 一方新たにランク入りしたものは、今月のランキングの順位が12位「PIMCO ニューワールド円インカムファンド」(三菱UFJ投信)、16位「アムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド ブラジルレアルコース」(アムンディ)、22位「資源ファンド(株と通貨)オーストラリアドル・コース」(日興アセット)、25位「日興GAMエマージングストラテジー・ファンド(毎月分配型)」、28位「三井住友・公益債券投信」(三井住友アセット)、37位「野村新米国ハイ・イールド債券投信(円コース)毎月分配型」(野村アセット)、41位「野村日本ブランド株投資(円コース)毎月分配型」(野村アセット)でした。中でも16位と25位の投資信託は、このところ資金流入の勢いが伸びているものです。 投資意欲減退期に登場する「絶対リターン」投資信託への投資資金額はこの4か月ほどほぼ横這いの状態が続いており、投資家の投資意欲は相変わらず高くありません。人気の通貨選択型投資信託でも、新規ファンドではブラジルレアルコースや豪ドルコースが頑張って販売され、資金もそれなりに集まりますが、既に運用されているものでは豪ドルやブラジルレアルのコースから日本円コースへと資金シフトの傾向が続いています。また、外国株式や外国債券に投資する一般的な投資信託でも、"為替ヘッジコース"が注目されています。この場合の為替ヘッジは、日本円と外貨との為替変動の影響を抑制してリスクを低くするための運用で、そもそもはこちらが「為替ヘッジ」の元々の使い方です。こうした動きから、投資家がとても保守的な態度になっている様子が見て取れます。 このような傾向が強い時期には、市場の動向にかかわらず「絶対リターン」を目指すと標榜する運用商品が注目を集めます。「絶対リターン」という言葉を聞くと、絶対に収益が出る(損をしない)というイメージを持つ方がいらっしゃいます。しかし、もちろんリスクを冒して投資をする以上、そんな保証はありません。 この「絶対」というのは独特の言い回しで、「相対」と対語になる「絶対」を意味しています。日本の株式に投資をする場合を例にあげるなら、東証株価指数に比べて"相対的に"それ以上の投資成果を出すことを目指すのが一般的なアクティブ運用です。これに対して、東証株価指数が上昇しても下落しても"絶対的に"プラスの運用を目指すというのが、「絶対リターン」を目指すという意味です。 解らないものには、投資をしない!「じゃあ、やっぱりどんな時でも絶対にリターンが出るんだ」と早合点しないでください。あくまでも、そうなることを"目指して"運用するのです。目指してはいても、思っていたのとは逆の方向に状況が動けば損失が出ることもあります。想定外の出来事が起きて、想像以上の損失を蒙る可能性のある手法を使ったものもあるかもしれません。「絶対リターン」をうたう投資信託には、先物取引などデリバティブを活用したり、株式の取引だけではなく通貨の売買や、市場の動きに連動して特定の値動きをする仕組債を保有するなど、様々な運用戦略があります。あまりに色々ありすぎて、私などは一度目論見書を読んだくらいでは、ぜんぜん中身が理解できないものもあります。 個人では難しい、工夫をこらした運用を手軽に提供する器として、投資信託はとても便利な仕組みです。そして、様々な投資機会と投資先の選択肢があることは、投資家にとっても決して悪いことではありません。ただし、「自分に理解できるものに投資をする、理解できないものには(たとえ、どんなに良さそうに見えても)絶対に投資しない」という原則が守られていれば、という条件がつきます。 「市場が上昇しても下落しても収益を狙う」というと、いかにも投資に躊躇しているお年よりなどにも魅力がある商品に思われますが、実際の運用内容は難解であったり、仕組み債などが介在してブラックボックスになっていたりするケースもあります。よく解らない投資先にわざわざ投資をしなくても、一般的な株や債券などのシンプルな投資先を組み合わせて中長期で投資をすることで、大怪我をせずに運用を楽しむこともできるのではないでしょうか。 どんな場合でも、自分の大切なお金を投資する場合には、投資先の内容やコストをしっかり確認して、十分理解して納得をしてから投資することが大切です。 ◇投資信託の検索は「投信まとなび」で (2012年2月23日 読売新聞)
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