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書評


評・朝吹真理子(作家) 性欲をオナニーで処理するように、理想的な家族がほしいという欲求を、「カゾクヨナニー」という行為で処理する。小学生の恵奈は、水色のカーテンを架空のパートナーにして、その行為に(ふけ)る。ナイロン素材のそれが風に揺れると、恵奈は心身を()でられているように感じる。 (5月21日)[全文へ]


評・尾崎真理子(本社編集委員) 今では何の違和感もなく読む名作の文章も、実は懸命に本当らしく装っている――。太宰治研究で知られる著者は、その装いを「表現機構」と呼び、初めて発展過程をまとめた。 (5月21日)[全文へ]


評・細谷雄一(国際政治学者・慶応大教授) ローマ帝国の崩壊は、近代ヨーロッパの歴史家たちに限りない知的好奇心を与えた。同様に、現代ヨーロッパの多くの歴史家が、オスマン帝国崩壊の歴史に関心を寄せてきた。なぜこの巨大な帝国は第一次世界大戦を契機に崩れ落ちたのか。若き歴史家の藤波伸嘉氏は本書において、この巨大な問題に立ち向かい、トルコ語、ギリシャ語、アラビア語、そして西洋諸語の資料を巧みに活用して、壮大かつ緻密な歴史を描き出すことに成功した。 (5月21日)[全文へ]


評・星野博美(ノンフィクション作家・写真家) その事件は福岡県八女地方の霧深い町で起きた。被差別部落出身の町役場嘱託職員の職業を剥奪しようとするおぞましい差別ハガキが44通届き、町を震撼(しんかん)させた。ところが逮捕されたのは、なんと被害者本人だった。その間、男は差別と闘う悲劇のヒーローを演じ、講演会や研修会に出向いては涙を流し、荒稼ぎをしていた。著者は、彼を信じて救おうと奔走した部落解放同盟や周囲の人々を追った。何が男の中の魔物を育ててしまったのか、その背景を探るために。 (5月21日)[全文へ]


評・畠山重篤(カキ養殖業) 文化庁の文化交流使として一年間パリを拠点に、俳句発信の活動を経験した俳人の書き下ろしエッセイである。 (5月21日)[全文へ]


評・橋爪大三郎(社会学者・東京工業大教授) 天体は、天界をめぐる。地上の不完全な石ころと違い、完全な物体として神が作った。だから月も、平らですべすべの円盤だと考えられていた。ところがガリレオが望遠鏡でのぞいてみると、凸凹で山や谷があって、地球と変わらない。ほかにも、木星の衛星や、金星の大きさが変化する現象などを発見。これらをまとめた『星界の報告』を出版した。 (5月21日)[全文へ]


評・湯本香樹実(作家) 子供の頃、木馬座の舞台を何度も()に行った。幕が開き、ケロヨンがオープンカーに乗って登場すると会場はワーッと盛り上がる。 (5月21日)[全文へ]


評・管啓次郎(詩人・比較文学者明治大教授) 首都圏の高架になった鉄道に乗って、「昔はこのすべてが森だったのかな」と想像することがある。間違いではないだろう。今からでも放置されれば、森林化が進む。でもこの単純な自然観には、大きな欠落がある。たとえば過去百年を見通すとき、日本列島でもっとも大きく失われた風景は草地なのだ。 (5月21日)[全文へ]


 ともに今年90歳の対談だが、ただの90歳ではない。片や「辺境の学問」日本学を普遍性に高めたと司馬遼太郎に言わしめた鬼怒鳴門(キーン・ドナルド)さん。片や愛をリアルに描き、今なお説法行脚を続ける寂聴さん。 (5月21日)[全文へ]


評・管啓次郎(詩人・比較文学者・明治大教授) 「詩の翻訳は可能か?」という問いがある。<詩>と<翻訳>の定義により答えは変わるだろう。 (5月14日)[全文へ]


評・小泉今日子(女優) 初めて編み物をしたのは小学生のとき。学校の手芸クラブで教わってマフラーを編んだ。 (5月7日)[全文へ]


評・三浦佑之(古代文学研究者・立正大教授) 大阪府と奈良県は、北の生駒山地、南の葛城山地を県境として隣り合っている。 (5月7日)[全文へ]


評・ロバートキャンベル(日本文学研究者・東京大教授) 井上ひさしが九〇年代前半に発表した七つの短編を発表順に並べて一冊にまとめた。 (5月7日)[全文へ]


評・中島隆信(経済学者・慶応大教授) 「インテル国際学生科学フェア(ISEF)」と聞けば、裕福な家庭に育ち英才教育を受けた少年少女たちが世界中から集まる「智の祭典」で、その研究内容は凡人には縁遠い科学の最先端と考える人は多いだろう。 (5月7日)[全文へ]


評・杉山正明(ユーラシア史家・京都大教授) 日本古代史にかかわる二つの書物を採りあげたい。 (5月7日)[全文へ]


評・岡田温司(西洋美術史家・京都大教授) 良くも悪しくも、西洋ひいては世界の歴史を一段とおもしろくも複雑にしてきたのは、教会権力の存在、とりわけその頂点に立つ教皇の存在である。 (5月7日)[全文へ]


評・橋爪大三郎(社会学者・東京工業大教授) 『ゴドーを待ちながら』。ノーベル賞作家サミュエル・ベケットの代表作だ。 (5月7日)[全文へ]


評・辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト) 心が望むものは遠いところではなく自分の家の裏庭にある、というセリフが『オズの魔法使い』にあったと記憶しています。 (5月7日)[全文へ]


評・星野博美(ノンフィクション作家・写真家) 小さい頃、祖父母と縁日に行くのが何よりも楽しみだった。著者もそんな子供だったらしい。そして「テキヤさん」に対する興味が高じて民俗学の道に進み、自身が暮らす東京・墨東地域の露店商の詳細なフィールドワークを行った。そこから垣間見られるのは深淵な世界だ。 (5月1日)[全文へ]


評・松山 巖(評論家・作家) 一気に読みたくなる展開の面白さ、次第に明らかになる作者の知性の厚み、そして余韻の響く結末。要するに私は本長(へん)に圧倒された。 (5月1日)[全文へ]

コラム

HONライン倶楽部


 「私がもらって当然だと思う」。芥川賞発表後の不機嫌発言で注目され、田中慎弥さん(39)は一気に有名になりました。25万部余りが出版された受賞作『共喰い』(集英社)をはじめ、田中文学を読者はどう読んだのか。騒動が収束しつつある今、あえて声を集めました。 (4月24日)[全文へ]

有吉佐和子特集

空想書店


 大学で教える初老の男が夢を見た。夢の中で男は本屋の店番をしていた。 (5月22日)[全文へ]

ポケットに1冊


 角川ソフィア文庫は、デカルト『方法序説』のカバーをイラストにするなど、哲学の名作を身近にする試みをしている。本書もその一環なのか、という軽い気持ちで読み始めたら、これが面白く、かつ刺激的であった。 (5月23日)[全文へ]

コミック・マガジン

マンガは僕の友達だった


 「サラリーマン」という言葉が、日本人の間でしきりに使われるようになったのは、1920年代後半のことであるらしい。 (5月10日)[全文へ]

本こども堂

子どもたちへ


幼(おさな)い頃(ころ)の体験を基(もと)に新作を描(か)いた絵本作家 学芸会、運動会、入学試験……。本番前にドキドキしたこと、きっと(だれ)にでもありますよね? そんなドキドキを(えが)いた絵本『ピアノはっぴょうかい』が、4月にブロンズ新社から出版(しゅっぱん)されました。 (5月1日)[全文へ]




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編集者が選ぶ2011年海外ミステリー

海外ミステリーが傑作揃いだった2011年。各社担当編集者のベスト5を紹介します。

連載・企画

海外ミステリー応援隊【番外編】 2011年総括座談会
世界の長・短編大豊作…やはり新作「007」、「犯罪」不思議な味、北欧モノ健在(11月29日)

読書委員が選ぶ「震災後」の一冊

東日本大震災後の今だからこそ読みたい本20冊を被災3県の学校などに寄贈するプロジェクト

読売文学賞

読売文学賞の人びと
第63回受賞者にインタビュー

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